桃の節句

昨日３月３日は桃の節句だった。桃の節句といっても、花屋以外の野外の桃はまだ開花していない。きのうの散歩途中、畠の脇の桃の枝を一枝頂いて花瓶に挿した。
　　　　
生物季節観測統計によると、モモの開花平均日は熊本３月２１日、福岡３月３１日となっている。桃の節句の雛祭りは他の年中行事と同じく、旧暦の日付をそのまま今の新暦の移しているので、モモの花の季節感もずれている。旧暦の３月３日は太陽暦では３月２５日から４月２５日ごろまでの間を年により大きく移動する。今年の場合は、３月１６日にあたる。
昨日の句会は雛が兼題ではなかったが、ちょうど３月３日だったので、いくつか雛の佳句が詠まれた。
相好を崩したひひな見たき夜　Ｔ子
雛壇に並んだ雛たちは、みんな同じようなお澄まし顔である。見る人が居なくなった夜には、ホッと肩の力を抜いて相好を崩した雛も居るかもしれない。
人形に見つめられゐて春寒し　Ｓ子
そうか、人が雛を見ているのではなく、雛たちが多くの目で自分を見ているのだ。
じっと座って、正面を見つめっぱなしの雛たちもさぞ足がしびれたり肩が凝ったりもするだろう。実は、人々が寝静まった夜更けに……
丑三つどき雛一斉にストレッチ　古希漢
ちなみに、安政７（１８６０）年３月３日の朝、江戸城桜田門外で大老井伊直弼が水戸浪士たちに暗殺される、いわゆる桜田門外の変が起こった。この年の３月３日は太陽暦の３月２４日で、この時期には珍しく大雪だった。
３月の忘れ雪というが、日記によると、２００７年３月１７日は別府も小雪が降り、県内の高速道は積雪で通行止めとなっている。又、２００６年３月１３〜１４日は別府は雪が舞った。週間天気予報によると、今年も３月９，１０日には福岡地方に雪だるまマークがついている。
雪みちを雛箱かつぎ母の来る　室生犀星