Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

クリスマスローズ・バイモ

 日本列島は真冬へ逆戻りの昨日今日、別府市内も真横に吹き付ける台風並みの強風に雪も混じっていた。句会会場の公民館玄関横のシモクレンやコブシの花、せっかく開いた花びらたちが時ならぬ春の嵐に震えて耐えていた。
そんな震え上がる寒さの中を、N子さんが持ってきてくれた二種の花が教室内をほっこりあたためてくれる中、句会が始まった。今日の兼題は「」。
いくつもの雛の佳句が披講されたが、全4句選句する中で、兼題の雛の句を1句とるにあたって、次の雛の句二つのうちどちらを戴こうか迷った。
雛の客となりて男の子のすまし顔 T子
男の児小さく座る雛の膳 A子
女の子の雛祭りの席にいる男の子の表情や心理を描いて、いずれの句も甲乙つけがたい。二つの句の男の子の描写は「すまし顔」と「小さく座る」で表現されていて、どちらもうまい措辞である。「小さく座る」は周りのおとながそのように男の子を見た、というおとなの主観的気配が強く、「すまし顔」はそのままの客観写生かな、と思って結局前者の「すまし顔」の方を戴いた。「男の子」は「おのこ」と読むべきだが、それでも字余り、句またがりとなって据わりがやや悪い感じはするけれど、「すまし顔」の方によりおかしみを感じて前者を戴いた次第。どちらも佳句である。
クリスマスローズ
   
句会の間みんの目を楽しませた花を、N子さんに戴いて帰った。クリスマスローズは自分にとっては珍しい花なので、『花おりおり』(朝日新聞社)をめくってみた。ローズといってもバラ科ではなくキンポウゲ科多年草で、クリスマス頃に花を咲かせる種があるのでこう呼ばれているが、むしろ春咲きが多い。花びらのように大きいのは萼弁だそうだ。華々しく濃い色でない楚々としたところに趣のある花である。
バイモ
   
同じく前著によれば、名は中国名「貝母」の音読み。漢方では球根を咳止め、排膿などに使う。ユリ科で、日本では薬用栽培していたものが観衆用に作られるようになったらしい。別名アミガサユリと言うとN子さんに教わった。なるほどよく見ると編み笠に似ている。が、ユリには見えない。
まんさくの目覚めて紐の解けたる M子
春になって「先ず咲く」からマンサクと言うことはよく知られているが、葉が出ないうちに、赤いもつれた紐が解けたように咲くマンサクをよく観察した佳句であると思い戴いた。 
   
いつもの散歩コースにあるマンサクは、一日中日当たりの悪いところにあるためか、梅が散ろうかという今頃になってようやく満開である。モモもほころび始めたことだし、そろそろ咲こうかとゆっくり咲くここのマンサクは、ソロサクと改名した方がいいのかもしれない。