Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 花見ず葉見ず

黄金の稲穂のほとりにあれほど真っ赤に燃えていた彼岸花もいつか全く見なくなり、今はその後に濃い緑の葉っぱがかたまって茂っています。彼岸花は花と葉が同じ根茎から出るのに、花は己の葉を見ることなく、また葉も己の花を全く見ることのない一生です。何かで読んだことがありますが、彼岸花を「花見ず葉見ず」とか「花知らず葉知らず」とも言うそうですがなるほどなと思います。
子どもの頃、♪赤い花なら曼珠沙華 オランダ屋敷に雨が降る 濡れて泣いてたジャガタラお春…♪という歌を聞き、曼珠沙華彼岸花のことだと教えられたことを思い出します。「曼珠沙華」という語感は、「彼岸花」より詩歌になりやすい響きだなと思いますが、「曼珠沙華」は、赤い花を表す梵語に由来すると集英社の『大歳時記』にありました。
     
写真は我が家の裏の市道脇にに植えてある彼岸花ですが、青々と緑をたたえた葉っぱです。一見したところ、左と右は同じように見えますが、別々に撮って見ると明らかに葉の色と幅が違います。        
     
上は赤の彼岸花の葉、下は白の彼岸花(シロバナマンジュシャゲ)の葉です。いずれにしても、秋を強烈に印象づける彼岸花は誰でもよく知っていますが、秋から寒い季節に青々と繁る彼岸花の葉っぱは意外と人知れず地味な存在のようです。
濃緑の冬葉は秋の紅を燃やさんがため彼岸花の葉