Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 はすだ(蓮田)とひつじだ(稲孫田)

 
7月、8月には大きな緑の葉の並びの中に清らかなピンクの花を咲かせていた蓮も、今やすっかり枯れて昔日の面影は見る影もありません。しかし、目に見えない泥の中ではたくましく蓮根が育っています。レンコンは、葉も茎も衰えてしまった今からが収穫期を迎えます。このように雨風に打たれて破れてしまった蓮の葉を「やれはす(敗荷)」または「やれはちす」といいますが、与謝蕪村はこのうような蓮の葉にも風趣を見たのです。
さればこそ賢者は富まず敗荷(やれはちす) 蕪村
この敗荷の隣のみずみずしい緑は、田植えを終わった稲田でしょうか。いえいえ、稲刈りの済んだあとの株から出た稲です。これを「ひつじ(禾へんに魯)」といい、ひつじの生えた田圃ひつじ田」(稲孫田とも書く)といいます。ひつじ田については昨年の11月6日のブログでも書きました。
今ごろ中津市山国町の国道212号線沿いのひつじ田のあちこちに、今や名物となった「案山子ワールド」が展開されていることと思います。
我が家のすぐ下の方に、写真のように、今から収穫期を迎える蓮根田とすでに収穫を終わったひつじ田が仲良く隣り合っているのです。裏の雑木林の中の櫨の葉が色づき始めました。旧暦9月13日の今夜は「十三夜」の「栗名月」です。「仲秋の名月」を「芋名月」というのに対して、栗を供えて十三夜の月を愛でるのでこういうようです。今日は晴れているので、今夜はきっといい月が眺められるでしょう。
頭より装ひ初むる鶴見岳