Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 散歩で出会った花(3)

今頃の時節、夏の季語の花と秋の季語の花が入りまじっていて、散歩の目を楽しませてくれます。

「ザクロ(柘榴)の花」は春の、「実柘榴」は秋の季語です。手元の2冊の歳時記の例句のトップに西東三鬼「露人ワシコフ叫びて柘榴打ち落す」があり、柘榴といえばこの句が印象深く頭にあります。
ケイトウは「鶏頭」と漢字で書けば、誰しもなるほど雄鶏のトサカ(鶏冠)によく似ている、と納得します。正岡子規「鶏頭の十四五本もありぬべし」の句は有名ですが、昔からすぐれた句だ、いや凡作だと評価の別れる俳句です。“病床六尺”から一歩も動けずに、やっと横臥の姿勢で庭に咲く鶏頭を眺めている子規を想像すると、味わい深い句だと思います。

肉質の葉は松葉に、花は牡丹に似ていることからマツバボタン。厳しい真夏の日差しの中で咲き続けるので「日照草」、また、爪で茎を伐って土に挿しても簡単につくことから「爪切草」ともいいます。赤、ピンク、白、黄色など鮮やかな色が多い。
月日経ち松葉牡丹の町も好き 中村汀女
ヒルガオは野原や道端で他の草にからんで咲く、ヒルガオ科の多年草ヒルガオ科にはこの他、アサガオ、ヨルガオがありますが、ヒルガオ科の仲間と違うユウガオはウリ科の花で、実から干瓢をつくります。
大水や大昼顔のけろり咲く 小林一茶