Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 彼岸花

 今年もちょうど彼岸の頃、真っ赤な彼岸花が咲いた。この花は、不意にポッと蕾をつけたつるんとした茎が出てきて、ある日急にぱっと咲くのだ。あぜ道や野原一面に咲いた様は、まさに燎原の火となる。
  
曼珠沙華竹林に燃え移りをり  野見山朱鳥
秋の彼岸の頃に咲くから彼岸花とはわかりやすい名前だが、別名の曼珠沙華命名は、「赤い花」を表す梵語に由来するという。球根にアルカロイド系の有毒成分を含むので、野ねずみやモグラを寄せ付けないように田んぼの畦に植えたので、あちこちの田畑のあぜ道に見られるようになったということらしい。茎をポキリと折った指先をなめるとすこぶる苦い。その昔、この有毒な球根を砕いて念入りに水でさらして飢饉のときの食糧にしたとか。
子どもの頃、学校帰りに棒きれで道ばたの彼岸花をなで切りにして切れ味を試して遊んだものだ。
悪童に哀れ斬首の彼岸花
  
黄色の彼岸花は珍しいが、これはショウキズイセンまたの名をショウキラン鍾馗蘭)という。
 
彼岸花にも白花があるが、彼岸花と近縁のショウキズイセンの雑種らしい。
そういえば、真っ白ではなく少し黄色がかっているのは、ショウキズイセンの血が混じっているからなのだろう。名前はシロバナマンジュシャゲ
数年前、狭畠にモグラが出るので畠の脇に赤と白の球根を植えたら毎年きれいな花を咲かせ続け、以来モグラの盛り土を見ない。