Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 地獄めぐり

小学校の頃以来訪れていなかった地獄めぐり。別府に居を移してから10数年たってもご無沙汰だった別府の地獄に、70歳になって毎年この時期に無料で行くことができる。別府市からの、老人週間(9月15日〜21)中の敬老無料施設サービスの一環である。
 別府市鉄輪(かんなわ)・亀川地区の一部の地帯は、千年以上も昔から噴気、熱湯、熱泥が噴出し続けていることが『豊後風土記』に記載され、昔は近寄ることもできず、土地の人々に恐れられ「地獄」とよばれて忌み嫌われていた。近代になって、この8つの地獄を逆手にとって“地獄を見て極楽気分に”という「地獄めぐり」と銘打って、別府温泉観光の目玉の一つとして今日に至っている。その8つとは、鉄輪地区の海地獄・鬼石坊主地獄・山地獄・かまど地獄・鬼山地獄・白池地獄と亀川地区の血の池地獄・竜巻地獄である。
8つの地獄に噴出する熱湯は90度Cから98度Cもの高温であるが、それぞれに湯の色が赤、緑、青、茶、白などとさまざまである。海地獄の池や植物園に咲く熱帯性の大蓮や睡蓮が美しい。
 


山地獄はさながらミニ動物園でもある。




白池地獄の2階には田能村竹田やその門下生などの直筆の南画が常時展示された豊後南画館があるが、初めて入館した。普段からあまり入館者がいないらしく、照明も暗く折角の名画も観賞しづらい感じであった。
 8つの地獄めぐりをしてみて、昔と変わらぬ姿を大事にしているという反面、もっと新しい手法で観光目玉を作っていく方法はないものかとも思った。別府地獄組合発行のようこそ「じごく」への三つ折りの案内パンフも、文字や写真が小さくてシニア世代には読みづらい。鉄輪全体のことがわかる、シアターホール等の施設があるとよろしいのではないだろうか。