Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

{季節] 春の息吹

昨年の長期予報では、ことしのは冬は暖冬か、と聞いたような気がするが、なんとなんと厳しい寒さが続いている。ところが、1月12日の別府市は、1日中日本晴れというポカポカ陽気だった。いつもの散歩コースを変更して、毎年いち早く蕗の薹が顔を覗かせる、ヒミツのあぜ道を通る山道コースを歩いた。どきどきしながらヒミツの場所に到達すると、出てる出てる!数えてみるとちょうど10個、1つを除いてまだビロードのような柔らかい苞につつまれている。
    
蕗のたうほろほろにがき香さへしてさやかに吾れの手につまれけり 馬場あき子 
 まだ群生しているところには出会わないが、よく見れば、寒星がこぼれたように、気の早いオオイヌフグリがぽつぽつと咲いている。
    
犬ふぐり海辺で見れば海の色 細見綾子 

冬の終わりの野草の中には紅い花は少ないが、今頃から春にかけて赤紫の花をつけるのは仏の座である。仏の座は春の七草の1つに数えられるが、これはその仏の座ではない。七草の仏の座はタビラコである。
    
真上から見ると、葉が仏様が座っている台(うてな)のように見えるので、仏の座の名前がついたといわれる。
だんだん暖かくなってくると、我が家の狭い畠はこの仏の座に席巻される。もったいない名前の仏の座ではあるが、野菜のためには雑草として全て抜いてしまわねばならない。南無阿弥陀仏

春の七草の1つに薺(なずな)がある。アブラナ科の野草だが、あのぺんぺん草のことである。三角形の平たい実が三味線をペンペンと弾くばちに似ているので、ぺんぺん草の名がある。痩せた土や道ばた、藁屋根の上などにも生える。「ぺんぺん草も生えぬ」とあまりいい形容に使われないが、花は白く可憐である。近所に住む1歳の女の子の名前はなずなちゃんであるが、薺の花のように色白で可愛い。
    
よく見れば薺花咲く垣根かな 松尾芭蕉    

1月20日が大寒で今が寒のまっただ中、2月4日の立春が待ち遠しい。寒中とはいえ、春を待つ気持ちで外を歩いて足元を見たり木の枝の先を見ると、確実に春の息吹が聞こえてくるものだ。昨日はそんな1日だった。