Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 落し文

昨日の朝、散歩のあといつもの柴石温泉にいった。露天風呂の縁にくるっと巻いた葉っぱが二つ転がっていた。よく見ると、落し文(おとしぶみ)である。上を見上げると、葉っぱが半分ほど巻かれたものを見つけた。「ただ今落し文制作中」である。

落とし文については、すでに7月27日の当ブログで取り上げたが、俳句歳時記には次のような説明がある。

栗・楢・櫟などの若葉が断ち切られ、樽型の筒状に巻かれて地面に落ちていることがある。ゾウムシ科のオトシブミという小さな甲虫の雌が作ったもので、中には卵が産み付けられている。分泌した粘着物や糸を使わず、非常に巧妙かつ効率的に折られており、容易にほどくことはできず、食糧をかねた幼虫の住み処となる。昔の人はこれを小鳥の仕業と見て、鶯やほととぎすの「落し文」と名付けた。風雅かつ俳諧味に通じる見立てであろう。(『第二版 新版・俳句歳時記』より転載

写真を撮ったあと、裏山の藪に返した。落し文の中の卵が成虫になった姿を一度は見てみたいものだが、未だお目にかかれていない。
落し文端やや解けて拾へとや 皆吉爽雨
皆吉爽雨には落し文経巻めけば手につつむの句もあるが、私には、落とし文の姿は経巻というより粽(ちまき)に見えるのだが。

これは菜園のオクラの葉っぱである。やや盛りは過ぎたがまだまだ二日に5,6本のオクラが収穫できて重宝している。このところ、葉っぱがくるくる巻かれていて落し文もどきなのだが、中を覗くと、白い蜘蛛の巣状のものが張っていて、小さくて黒い糞のようなものがいっぱいある。そしてその周辺の葉は食われて枯れつつある。殺虫剤で処分できるのだろうが、つぎつぎに芙蓉のような上品な花を咲かせてはオクラが実るので、薬は使わず成り行きに任せている。