Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

モクレン科の花

     
辛夷(こぶし)
 モクレン科の落葉高木で樹高10メートルにも達する。木蓮よりやや早く、早春のころ葉に先立って6弁の白い花を咲かす。花は木蓮のようにラッパ状ににならず平開する。蕾の形が人の握りこぶしに似ているからこの名があるという。東北地方ではこの花が咲くと田仕事の準備にかかるので、「田打ち桜」「種まき桜」というところもあるらしい。千晶夫の「北国の春」にも歌われているように、辛夷は春を告げる花である。
写真は、別府公設市場向かい側の植え込みに3本植わっているうちの1本の花。
満月に目をみひらいてはなこぶし  飯田龍太
     
     
     
木蓮
 中国原産のモクレン科の落葉低木で樹高は3,4メートル。紫色の6弁の大きな花は空に向かって咲く。蘭の花に似ているので「木蘭」ともいうが、蓮の花に似ている「木蓮」の方が通りがいいようだ。「紫(し)木蓮」ともよばれるが、この紫色のものを普通「木蓮」とよんでいる。写真は亀川浜田町の民家の庭のもの。今年は1週間以上早いそうだ。
木蓮の風のなげきはただ高く  中村草田男     
     
     
木蓮(白蓮)
木蓮とは別種だそうだが、6枚の花弁と3枚の萼が純白で9枚の花弁のように見える。清楚なおもむきを呈し、大きな木に白い花が一斉に咲いた姿は見事で、あたりを明るくし、遠くからでもよく見える。写真は亀川古市の民家の庭のもの。
白連の散るべく風にさからへる  中村汀女