Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

杏(あんず)


バラ科サクラ属スモモ亜属の落葉高木。中国東部原産で、紀元前3千年頃から栽培され、東アジア系と西アジア系に分化した諸系統がある。日本では長野県、山梨県、東北諸県に多く見られる。別名カラモモ。梅の花におくれ、桃に先んじて淡紅色や白色の花をつけ、情趣を誘う。果実は径3センチあまり、赤黄色で独特の酸味があり甘く、夏の季語となっている。室生犀星がこの花この実を懐かしみ、いとおしんだことは有名である。

     
2枚の写真は、亀川浜田町の民家にある樹齢約50年という杏で、やや盛りを過ぎた感がありましたが、梅とも桃とも少し違い、うす紅色の清楚な感じの花です。
「杏」の字の関連で、室生犀星の長編小説「杏っ子」はずいぶん昔映画化され、主役は香川京子でした。若い頃からファンの女優です。俳人の黒田杏子さんは「ももこ」とよみますが、やはり杏が好きなのでしょうか、聞いてみたいものです。「アンニンドウフ」のアンニンは「杏仁」のことでしょうか。「杏仁」は杏の種の核のことで、これから咳止めの生薬を作るそうです。
しをるるは何かあんずの花の色  松永貞徳
一村は杏の花に眠るなり  星野立子