Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 コブシ・モクレン

♪ 白樺 青空 南風
  こぶし咲くあの丘 北国の ああ北国の春
  雪解け せせらぎ 丸木橋
  落葉松の芽が吹く 北国の ああ北国の春
  山吹 朝霧 水車小屋
  わらべ唄聞こえる 北国の ああ北国の春… 

千昌夫が歌ってヒットしたおなじみの『北国の春』である。作曲は先年亡くなった遠藤実、作詞が誰か知らなかったので調べると、いではく とある。といってもあまり聞いたことのない人だ。
北国に限らず、田舎に生まれ育ち、都会に出た者にとっては、歌い出しの歌詞を聞いただけで故郷の風景が目の裏に浮かび、何とも郷愁を誘い、目頭が熱くなる歌詞である。この歌がはやった頃、NHKのど自慢大会では必ず歌われる定番の歌であった。中国を旅行したときも、現地のガイドが必ずこの歌を唱っていたものだ。
さて、こぶしである。
      
 今日の散歩で見かけたのは、別府公設市場前の国道十号線を挟んだ跨線橋付近の植え込みにあるコブシであるが、三寒四温でとまっどいつつも、すでに開き始めていた。
こぶしの名は、蕾が赤子の拳に似ているからつけられたものである。こぶしの花が咲く頃田打ち作業を始めるので、北国ではこぶしのことを田打ち桜とも呼ぶそうだ。
いつの間に風冷えて来し辛夷かな  星野立子             
      
 ハクモクレンも負けじと、純白の衣装を開こうとしている。
 白れむに夕日の金の滴れり  臼田亜浪    
 一般に白木蓮とよばれるが、実際はハクレン という別種で、木蓮と言えば紫木蓮のことなのだそうだ。 
  
                             
モクレンは紫のドレスをひけらかそうと、こちらも用意万端整っている。
木蓮は花の形がやや蓮に似ているから命名
木蓮は蕾も花も上を向いているが、こぶし(辛夷)はあっちこっちを向いている。こぶしは写真のように、花が咲くとすぐに薄緑の葉が花の根元に出る。  
 未曾有の東北地方太平洋沖大地震・大津波から今日で1週間がたつ。岩手、宮城、福島で生まれ育ち都会に出ている方々は、今年は故郷のコブシが見られそうもあるまい。それどころか、帰るべき故郷の村や町そのものが消えてしまっているという方もおられよう。映像を見るたびに胸が痛む。犠牲者を悼み、被災者が一日も早く元気を取り戻せるように祈るばかりである。遠くから何もできないが、今日、涙の一滴にも満たない義捐をさせていただいた。
北国に早く暖かい春が来ることを祈りたい。