「俳句」 遠慮なく着ぶくれて坐す初句会
白いものがちらちら舞う中、9時過ぎに初句会の会場、西部地区公民館に到着。前回の12月にはすでに玄関脇のモクレンとコブシの芽がとがっていたが、この寒さではまだ開花は当分先でしょう。
上の写真は今日の句会の終了後に撮ったものです。モクレンとコブシはよく似た花を咲かせますが、蕾も似てはいますがよく見ればなんだか少し違うようです。上の写真は蕾が皆上を向いているのに比べ、下の写真は蕾の向きがてんでに違っていますね。さて、花の姿はどうでしょうか。花の頃の句会をお楽しみにしましょう。
まず尖るより自己主張冬木の芽 古希漢
さて今日の初句会は21名が参加、厳寒のなか出席率上々です。皆さん初句会を心待ちにしていたのでしょう。兼題の「鏡餅」にいい句がたくさん集まりました。この句会は、兼題句を含めて一人3句を投句し、自分の句以外の4句を選びめいめいが披講します。
点が多く集まった句は以下の通りです。
湯煙や青首だいこん仁王立ち K子
鏡餅丸め上手の祖母なりし A子
年重ね小さく重ね鏡餅 A子
掃き納めして身のほどの鏡餅 Y子
無骨なる殻に潜みし牡蠣の艶 K一
私は次の4句を戴きました。
年重ね小さく重ね鏡餅 A子
健やかな声を称えて初電話 T子
鏡餅丸め上手の祖母なりし A子
読初は声色遣いかさじぞう N子
上の4句のうち、私のイチオシは年重ね小さく重ね鏡餅 A子 です。
誰でも年を重ねると、あとで食べるときのことも考えて、鏡餅はほどほどに小ぶりがいい。同感(^_^)
「重ね」のリフレインがリズミカルであるばかりか、「重ね」「重ね」「鏡餅」とkaの音が三つ続いておもしろいし、声に出して読むと楽しくなるではありませんか。うまい佳句です。
紘文先生の添削コーナーより
○湯煙や青首だいこん仁王立ち のだいこんは大根とした方がよい。なぜなら、だいこんでは字余りとなりリズムが落ち着かない。大根ならば、だいこと読めて、語呂が合う。
○健やかな声を称えて初電話 の声を称えては、声称え合ふとした方が、双方向の気持ちの通い合いがあっていいのでは。
毎度のことだが、紘文先生に指摘されると、作者だけでなくみんな深くうなずくのでありました。
拙句、嫁方の雑煮に慣れてしまひけり も7点という過分な点を戴きました。
紘文先生の俳話タイムより
○雪月花ということばがありますね。春は花、桜です。秋は月、冬は雪、これらは昔から日本の自然の美しさを代表するものとして詩歌に詠まれています。さて、この中には夏がありませんが、夏は何でしょうか。(一同沈黙…)
夏は目に見えないもの、そう、ホトトギスの声なのです。
春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけりという歌にあるとおりです。
紘文先生が例に引いた春は花…の歌は聞いたことはあるものの、誰の歌か思い出せません。聞きそびれてそのままにしておくのが気持ち悪い性分なので、帰って早速調べました。
曹洞宗開祖・道元禅師の歌でした。良寛や川端康成が愛したといわれますが、川端康成はノーベル文学賞受賞記念講演の『美しい日本と私』の中で引用しています。
朧月29日から31日までの2010世相いろは川柳以来、年が明けて初めてのブログ更新である。これでは三日坊主といわれるかもしれない。更新期間が長く空くと、あいつはどっかわりーんじゃなかろうか、死んだんじゃねーか、などと心配してくれる人もいるらしい。去年と変わらずさかしゅうしちょるんじゃが、ネタ切れということでさぼっていた。今年もスローにいきましょう。ベベンコ(仔牛)のように突然走り出したり、急に止まったりするが、長いスパンで見れば牛のよだれみたいに行きたいものだ。敬愛する良寛さんはスローライフの先駆者だった。