Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 半夏、半夏生、ハンゲショウ

半夏生
きょう7月2日のの暦に「半夏生」とありますが、これって一体何でしょうか。これは72候(陰暦で1年を5日ずつ72に分け、その一つひとつにその時節の特色を示すと考えられた自然現象を割り当てたもの)の一つで、夏至から11日目にあたり、陰暦では5月26日です。この頃「半夏」という植物が生えるということから「半夏生」といいます。この日は、明け方に天から毒気が降るというので、昔は井戸に蓋をしたということです。また、この頃は田植えが終わった頃で、雨が降れば大雨になるといって物忌みをしました。また古い書物には、この日は青菜の類はつんでたべるのをひかえよとか、この日以降は虫が生じるので筍は食べないなどとあります。
 今朝、エダマメを全部引き上げたところ、だいぶ虫に食われていました。これは明け方に降った毒気のせいではなさそうで、殺虫剤を一度も撒かなかったせいでしょう。虫が食べた残りを食べると、この味なら虫どもが喜んで食うはずだと、いつも思います。
半夏
       
 サトイモ科のカラスビシャクを「半夏」ともいい、この植物の地下にある指先程度の塊茎はを掘って乾燥させたものは、朝鮮にんじんと同程度の効能の漢方薬になるそうです。

ハンゲショウ(片白草)
       
 こちらの方はドクダミ科の多年草で、一種の臭気があります。茎は直立し1メートルぐらいになり、葉は長楕円形で互生し、ちょうど半夏生の頃、茎の先の葉の2,3枚の下半分ほどが白くなると花穂を出し白い花をたくさんつけます。半分白くなるので「半化粧」の意だともいいます。「半夏生」の頃咲く植物なので「半夏生草」といいますが、長いので単に「はんげしょう」と呼んでいますが、耳で聞いただけでは、72候の「半夏生」なのか植物の「ハンゲショウ」なのか区別ができずややこしい限りです。
次の句は、どちらの半夏生でしょうか。
外湯まで雨傘さして半夏寒む 清水基吉
半夏生など挿し心にくかりし 井尾望東
 先日の句会で「半夏生にはお目にかからないなあ」というつぶやきに、Kさん「あら、この次の句会に持ってきてあげるよ」といってくださった。Kさんは俳句や他の文学について該博でいらっしゃる“生き字引”的存在であるのみならず、おうちの庭には何でもあるという不思議な方です。