Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

NL句会

兼題「桜・花」にちなみ、4月の句会はまだ3分咲きながら、桜の見られる会場Pで昼食会をかねて行われた。メンバーは女性7名、男性2名で、すべて後期高齢者である。
      
今日の最高得点句は「花未だこころに風の立つ日なり」で、6人が選んだ。6人のうちの1人に自分もいるのだが、この句に惹かれたのは“こころに風の立つ”という措辞である。今年の桜の開花は例年よりかなり遅い。そんなときに、なんだかわけのわからないざわざわし心持ちという心情が感覚的に響いたのだ。作者は90歳のベテランで、いつも高得点を得ていて事実上の宗匠的な元気な媼である。そのほかに選んだ1句は「まだ先と思ひし花の別れかな」である。折しも1週間前、高校時代の同級生が亡くなり通夜にお参りしたばかりだった。彼は以前から世話役で、この秋の喜寿同級会のお世話も進めていたはずである。この句の作者の深い悲しみを共有できたので選んだ1句である。
 さて、投句した自分の3句である。
1,花筵活断層の上に敷く
2,西行の花と思はば死もよろし
3,世の中は右に傾き春寒し
1,については1−①「活断層の真上と知れど花筵」や1−②「活断層わかっちゃいるが花筵」
  1−③「花筵活断層の上にかな」などと詠んでみたが、①と②の“真上と知れど”“わかっちゃいるが”では気持ちが入りすぎてダメだと、落とした。また③は“かな”という切れ字の終助詞は体言または活用語の連体形に接続するから、“に”+“かな”は文法上の誤りと気づき、落とし、結局1のようにさらりと詠んでみた。この句は3人が選んでくれた。
2,については有名な「願はくは花の下にて春死なむその如月の望月の頃」という西行の歌ををふまえている。如月の望月は旧暦2月15日(釈迦の入滅の日)は現在の3月末である。西行は詩に詠んだ通りの2月16日の満月の日に亡くなっている。もし、西行のように望み通りに死ねるのならばそれもいいか、という気持ちの句だが、「えらく悟っているな、悟りが早すぎるんじゃない?」という評もあった。3人が選んでくれた。
3,は時事句で、最近の世情を詠んでみた。1点入った。