Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

[観月会」

 9月28日夜、公園に有志が集まって月見をした。夕方から厚く雲が出てきて、残念ながら十六夜の名月は拝めないかと思っていたが、徐々に雲が動き、雲の切れ間からちょこっと顔を出したお月さん。

そのうちに、Yさんが用意したススキと栗をあしらった花瓶の遙か向こうの東の空に、いさよいながら十六夜の月が昇ってきた。

焼き肉やYさんが釣ってきたアジの南蛮漬けなどに舌鼓を打ちながらアルコールがまわってくると、勢い月見はおろそかになってくる。しかしさすがは青壮年、今後の自治会活動を維持し活発化するには役員も若手が担う必要がある等と建設的な話も盛り上がる。

8時過ぎには雲はすっかり消え失せ、中天近くまで名月が大きく輝いてきた。

28日の月をスーパームーンというそうだが、これは月と地球の間の距離が平均38万4千キロメートルなのに、この夜は35万6900キロメートルに近づくので、1年で月が一番大きく見えるからだそうだ。この夜の月は、前日27日(旧暦8月15日)の中秋の名月よりも大きく明るく見えたわけである。月の出は十五夜を境にだんだん遅くなる。陰暦16日はためらい(いさよい)がちに出るので、十六夜(いざよい)の月といい、陰暦17日はさらに遅くはなるが立って待つ間に出るので立待月(たちまちづき)、陰暦18日はさらに遅くなり座って待つことから居待月(いまちづき)、陰暦19日は夜更けて出てくる月を寝て待つので寝待月(ねまちづき)または臥待月(ふしまちづき)という。
 また旧暦9月13日(今年は新暦9月25日)の月を十三夜または後(のち)の月、名残(なごり)の月などという。昔の人は十五夜には芋を備え(芋名月)、また十三夜には枝豆や栗を供えて(豆名月、栗名月)月見をするという風流を楽しんだようだ。ちなみに、作物の栽培、種まきや収穫の時季などの目安は月を元にした陰暦(旧暦)の方が頼りになるので、昔からの農事暦は旧暦である。
 厚くなく寒くなく、月明かりの下で食べたり飲んだり談論風発、上を見上げると月天心にあり、既に10時になろうとしていた。
          
みんな異口同音に「来年もやりましょう」でゴミ一つ残さず、観月の宴の形跡も残さぬように片付け、お開きとなった。
名月をとってくれろと泣く子かな 小林一茶