短歌や俳句に見る別府
最近、別府はかつての別府温泉の賑わいを取り戻すべく、官民あげてさまざまなPR活動を展開しています。そのお先棒を担ぐわけではありませんが、別府を詠んだ短歌と今頃の季節の俳句を紹介しましょう。
やはらかき湯気に身を置くわれもよしこよひおぼろの月影もよし 九条武子
とがり波湾一杯に騒ぎ立ち磯崎こえて日は傾けり 木下利玄
幾筋か湯けむり立てる青き谷朝のくもりにしづまりて見ゆ 五味保義
音たてて噴きいづる湯は湯げむりのなびくをりをり澄みとほる見ゆ 佐藤佐太郎
海地獄美し春の湖より 高野素十
別府湾別府の春夜領じけり 久保田万太郎
血の池も坊主地獄も霞むなか 浜田夢安
早梅や字名にのこす観海寺 金田眸花
立春といふ陽の色に別府湾 佐藤閑光