Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

歴史

*「考古学」別府湾の考古学物語
 去年今年貫く棒の如きもの 虚子
 折角の名句が、昨年からの経済危機・増大する失業者群という重苦しい状況がつづき、「不況」に「貫かれ」て今年が過ぎゆくのかなあと思わせてしまう。ここはひとつ、現在と未来から離れ思いっきり過去にさかのぼって思いを巡らすのも一興と思い、「別府湾の考古学物語」(別府大学講師 清水宗昭氏)の講座を聴きに行った。なんたって100万年前からの話だ、浮き世のことをしばし忘れよう。
 講義は歴史年表に沿った別府湾の歴史である。
     
旧石器時代
・100万年前頃 別府・島原地溝帯が活発化して別府湾の今の形が誕生した。
・35万年前頃  姫島火山の活動、黒曜石が形成される。 
・12万年前頃  ベルム氷期 寒冷化のため瀬戸内海が陸化(セトランド)
大陸からナウマン象が渡って棲む。(大野町代ノ原でナウマン象の化石発掘)
・約4万年前   早水台(そうずだい)遺跡に中期旧石器人が住んでいた(故賀川光夫・八幡一郎氏らの発掘調査で明らかに。考古学会のビッグニュースに)
        ※早水台は日出町川崎字西深江にある丘陵地帯で。南西は別府湾に面する海食断崖である。この早水台の丘陵は、拙宅の二階のこの部屋から、真東の方向に肉眼で見はるかすことができる。(さっきまで見えていたが、日が落ちて見えなくなった。)
・約2万年前   羽室遺跡に後期旧石器人が住む。
縄文時代    
・9千年前頃   姫島人が丸木船を使って黒曜石交易に乗り出す(大分横尾古墳に大量の黒曜石)。
弥生時代
・2千5百年前頃 大分下郡桑苗遺跡で大量のブタの骨(初の家畜飼育例)
・2千年前頃   別府湾沿岸に集落発達
      
古墳時代 
・3世紀初    国東市安岐町下原古墳(最古の前方後円墳
・3世紀中期   小熊山古墳(杵築市
・4世紀末    御塔山古墳(杵築市)・亀塚古墳(大分市
・6世紀後半   別府の太郎塚・次郎塚古墳、鬼の岩屋1,2号墳
        ※国指定史跡の鬼の岩屋古墳1号墳は、別府市立上人小学校の校地内にある。安山岩の巨石で組み合わされた内部は朱が塗られ、前室には鋸歯型文が残る装飾古墳。2号墳は1号墳の南西約80メートルのところにあり、直径3メートル高さ6メートル、奥行き8メートルと1号墳より大きい。昭和57年に玄室から多数の壁画が発見された。
      

100万年前から千五百年前までというとてつもなく長いスパンの別府湾の歴史を聞き、まだ松の内の波穏やかな別府湾を眺めていると、悠久の時の流れを感じ落ち着いた気分に浸れる。と同時に、別府・島原地溝帯の真上に生きている我々としては、100年〜150年周期で起こっているM8クラスの地震も怖い。死者1330人を出した昭和21年の南海地震から今年は63年目だ。今世紀前半には60〜70%の確率で大規模地震が来るかもしれないなどと「地震への備え}というラジオ放送を聞くとおちおち眠れはしない、と言いながら惰眠を貪る毎日ではある。
 寝正月活断層の上に住み