Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

別府市民フィルハーモニア管弦楽団第23回定演

 
別府市交響楽団が標記の名称に変わって、第23回の定演が12日開かれた。盛りだくさんの愉しいプログラムに惹かれて聴きに行った。
○ベートーベン「「エグモント」序曲
○ベートーベン「交響曲第8番」
ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」
ビゼーカルメン」第1・第2組曲より
ベートーベンの九つの交響曲のうち、名前の付いた3番、5番、6番、9番以外では7番が好きである。特に7番の第2楽章の主題は、死んだら葬式のBGMに流してもらうように言ってある。今日の8番は、軽快で明るく、特に第2楽章はメロディクでたのしいが、満足する演奏だった。今日のメインステージはなんと言っても別府市のギターリスト、竹内竜次出番の「アランフェス協奏曲」である。特に第2楽章のギターソロの部分は、ナルシソ・イエペスの演奏などで夙に知られているところだが、協奏曲の3楽章全体としてナマで聞くことができたのは幸いにも今回が初めてであった。2楽章短調アダージョの主題の部分は哀愁を帯びた美しい叙情詩であるが、竹内竜次の弦の響きはソロ部分もオケとの協奏部分も聴衆の耳を陶酔させてやまなかった。3歳の時に視力を失ったロドリーゴが38歳の時に、内戦下のスペイの平和を祈って作曲したと言われる「アランフェス協奏曲」。祈りを込めた哀愁のメロディーをたっぷりと楽しませてもらった。竹内竜次は別府市サンシティ音楽院の院長竹内幸一氏のご子息であり、竜次は8歳から父にギターの手ほどきを受けたそうである。ギターを習うきっかけの多くは「禁じられた遊び」を聴いてからという人が多いそうだが、今日の「アランフェス」を聴いた人が、また音楽院のギター教室の門を叩くのではないだろうか。先日亡くなったシンセサイザー富田勲が「スターウォーズ」のテーマに、またポール・モーリアが編曲して多くの人が聴いたりと、「アランフェス」は今後も愛聴曲であり続けるであろう。
第4ステージのおなじみの「カルメン」は・前奏曲・ハバネラ・アルカラの竜騎兵・ジプシーの踊り・間奏曲・夜想曲・アラゴネーズ・闘牛士、の愉しい数々を聴かせてくれた。マエストロの後藤龍伸は指揮台から落ちんばかりに、特にアンコールの「ファランドール」では髪振り乱し、踊り跳ねる愉快なパフォーマンスでステージと客席が一体となったエンディングだった。
金管の鳴りにちょっと気になった部分もあったが、この管弦楽団のメンバーはみんな若いので、今後のいっそうの練習による発展を期待したい。
竹内竜次は今40歳の、伸びしろ十分の演奏家である。今後も内外の場での活躍を祈りたい。同じ俳句会の句友でもあるサンシティ音楽院の幸一院長も脂ののりきった頃であるので、今後の音楽院の繁栄を願っている。
帰りの駐車場までの長い道のりは、ザンザ降りの梅雨のさ中だったが、心地よい気分だった。