Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 別府アルゲリッチ音楽祭

風薫る五月、ことしも別府アルゲリッチ音楽祭が5月9日から開かれた。今年でもう17回目だそうだ。初回か2回目だったか、別府ビーコンプラザフィルハーモニアホールで、アルゲリッチのピアノを聴いたことがあるが、そのときは1階の前から5、6列目の中央からやや左の、よく聞こえ彼女のピアノタッチがよく見えるところの席だった。にもかかわらず、素人の耳で聞いても、かの有名な世界的ピアニストの演奏としてはもう一つ満足できないピアノだと感じたものだった。あとで知ったが、あのホールは多目的ホール仕様のため音が天井に抜け、必ずしもクラシック系の演奏にはなじまないということだった。その後いつからかステージの上に反響板が設けられ、多少は音響効果を改善する努力が見られた。
 さて、今年のアルゲリッチ音楽祭である。アルゲリッチコンサートはやはり音響のいいiichikoグランシアタでなければならない、それには5月16日(土)の「室内オーケストラコンサート」しかないと思いチケット買いに行ったら、売り出し日を2日間違えたため既にいい席は売り切れていた。GS席15,000円からC席5,000円の5段階の料金設定のチケットの中のC席の3階右端の2枚しか買えなかったのだ。しかし、ホールの音響はすばらしく、弦の響きもピアノの音色もこの席で十分満足できた。
★ E・エルガー:弦楽セレナード ホ短調  室内オーケストラ = 紀尾井シンフォニエッタ東京
初めて聞く弦楽セレナードだったが、コントラバス、チェロの重低音がしっかり支え、見事な弦のハーモニーに酔った。 
★ L・V・ベートーベン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 
  ピアノ = マルタ・アルゲリッチ  室内オーケストラ = 紀尾井シンフォニエッタ東京
  
この曲を前もってYou Tubeで聞いてみると、聞いたことはあるもののさほど印象に残っていない曲であった。アルゲリッチはピアノを弾き始める前、オケを聞きながら豊かなロングへアを何度も掻き上げて集中していた。ピアノタッチは繊細に流麗に時にエネルギッシュで、とくにカデンツァでは73歳とは思えぬ豊かな音色を響かせた。
★ W・A・モーツァルト交響曲第40番 ト短調 K.550  室内オーケストラ = 紀尾井シンフォニエッタ
 おなじみのモーツァルトの曲でありCDでよく聞いているが、紀尾井の演奏はよくまとまっていて、フルオーケストラに引けをとらない素敵なモーツァルトを聴かせてくれた。

3曲とも指揮は高関 健である。ずっと以前、このグランシアタで大分第九の夕べを歌ったときの指揮者である。調べてみると、2002年12月15日の「第26回大分第九の夕べ」九州交響楽団との競演で振っていただいたのであった。高関指揮者と4人のソリストの色紙をもらっていたが、今回の高関指揮者は13年前と少しも変わらない、若々しい指揮ぶりであった。
          
 実は前日の5月15日に「しいきアルゲリッチハウス」のこけら落としコンサートが開催されたのだが、これは100名を無料招待するというので往復葉書で応募したが、後日「残念ですが抽選に漏れました」という葉書を受け取っていたので、16日の室内楽コンサートには期するものがあった。必ずしもいい席ではなかったが、妻と二人で久しぶりにホンモノの音を楽しむことができた。
ちょうど1ヶ月後の6月21日は第47回大分県合唱祭である。我が豊声会もステージに向けて練習を重ねているが、iichikoグランシアタの音響に負けないように、ベストな演奏を披露しなければならない。