Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

1416925139**「コンサート」北欧音楽の魅力

フィンランドスウェーデンノルウェー、バルト3国などの北欧諸国に対して、未知なるが故か、不思議にあこがれがある。それは森と湖の国であり、かつてロシアの圧制下にあった民族と気候的な暗さであり、またサンタクロースやムーミンのいるファンタスティックなメルヘンの世界でもある。エストニアヘルシンキ大学等のアカペラの男声合唱の魅力もまた格別である。
 去る6月22日(日)、別府ビーコンプラザフィルハーモニアホール行われた第21回別府市交響楽団定期演奏会を聞きに行ったのは“北欧音楽のロマンにひたる”という惹句で組まれた
1.シベリウス交響詩フィンランディア
2.グリーグ/ピアノ協奏曲
3.シベリウス/交響曲第2番

という“北欧特集”のおなじみのプログラムだったからだ。
     
1.帝政ロシアの圧政下のフィンランド独立運動が起こっていた頃にシベリウスが書いたフィンランドスオミ)讃歌である。帝政ロシア政府は独立の機運を増幅させるとして演奏禁止命令を出したほど、この曲はスオミの連帯と民族のほこりを表現したもので、後半の明るいフィンランド讃歌は合唱曲としても歌われる。
2.グリーグはピアノ協奏曲はこの1曲だけしか作っていないが、ノルウエーの風土を叙情豊かに描いた名曲である。ピアノソロの後藤秀樹さんはウイステリア・コールなど、県下の有力な合唱団の伴奏者として活躍している逸材だが、ソリストとしての彼の演奏を聴くのは今回が初めてであった。力強くまた繊細に、北欧の厳しい風景を自信に満ちた表情で聞かせてくれた。
3.シベリウス交響曲第2番は、彼が作曲した7つの交響曲のうち、最も演奏の機会が多いといわれるが、北欧の荒々しい厳しい自然の表出と、対照的に穏やかな牧歌的風景とを描き分けた印象的な、好きな曲である。別府市交響楽団は後藤龍伸さんのタクトでこの曲らしい音を奏でていた。

開場時刻の40分前にビーコンプラザに着いたのに、駐車場はどこも満杯でやや離れた別府公園Pに駐車した。会場に入って納得したのだが、同じビーコンプラザ内のコンベンションホールでは羽生結弦安藤美姫さん等のアイスショウが開催されていてそちらの観覧者が長蛇の列をなしていた。向かい側のフィルハーモニアホールの演奏会の方は3分の2足らずの客の入りであり、演奏者に気の毒な気がした。主催者に別府市が名を連ねているのにこんなに客が少ないとは、アイスショウに客を盗られたのか、宣伝が足りず千円のチケット販売にもあまり力を入れなかったのか、あるいは別府のクラシック愛好者の数を物語っているのか…。
 始めはホール1階中央付近の席に座ったが、今ひとつ音響がよくないので休憩後は2階の中央付近に席を移った。この場所の方が1階より聞こえがよかった。客席ががら空きだったおかげでこんな席の移動ができたわけだが…。
久しぶりに生の演奏で好きな北欧音楽のロマンにひたることができた。