Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 カワニナ放流

きのう14日、亀川小学校のよい子たちが冷川(ひやかわ)にカワニナを放流した。冷川は十文字原高原を水源とする長さ約3,200メートル、川幅平均5メートルの小さな川ながら、市内を流れる9本の川のうち、唯一、温排水の流れ込まない清流である。したがって、毎年夏になると蛍が飛び交う。この蛍を増やそうと、蛍の幼虫時の餌になるカワニナを一人育てているのが、亀川の町おこしグループ亀カメ倶楽部の高橋さんである。この高橋さんが今日のカワニナ放流の仕掛け人である。子どもたちに、蛍はどんなところで何を食べて育つのかを知ってもらい、生き物や自然を大切にする意識を持ってもらおうというのが狙いである。
        
カワニナは大きいので3センチぐらいの、黒い巻き貝である。
子どものころ、切り取った柚の木のトゲで、ゆでたカワニナの身を取り出して食べたことがあるが、結構おいしかった。ところが、あるとき川遊びをしていて、水に沈んでいた蛇の死骸にカワニナが真っ黒に群がっていたのを見てからは食べるのをやめた。
昨日は、小学生たちはカワニナを見るのも触るのも初めてで、中には気持ち悪がって手を引っ込める子もいた。道からはしごを伝って川岸に降りた最初の男の子がカワニナを投げ入れると、他の児童たちも次々と投げ入れた。       
        
この情景を取材しているメディアのカメラマンたちは、足場の悪い中を苦労していた。
       
来年の夏には、今日放ったカワニナの稚貝を食べた蛍の幼虫が大きく育ち、蛍となって幻想的な光をたくさん見せてくれるだろう。今日の小学生たちもきっと見に来てくれるに違いない。
 宇佐でもニナをまいた
新聞によると、11月10日に恒例の宇佐神宮放生会(ほうじょうえ)があり、寄藻川(よりもがわ)の河口に、神職たちがニナガイをまいた。この神事は、古く隼人(はやと)を退治した宇佐八幡神が隼人の霊を慰めるために始まったというのがルーツであるが、今は、生きとし生けるものの霊を慰めるために、葦で作った薦(こも)巻きのニナガイを船から川面に投げ入れるということである。

別府と宇佐で、奇しくもほぼ同じ時期にニナガイを放流したということだ。趣旨、目的はそれぞれ違ったが、命あるものを大切にしようという気持ちは両者に通底し、今、名古屋で行われているCOP10生物多様性会議第10回締約国会議)精神を踏まえた活動である、と言ってはやや大風呂敷か。