Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 見かけによらず旨いもの

久しぶりに釣りに行った。当方はいつももっぱら安直な堤防、波止場釣りである。今日は釣りといっても餌のついた針を魚に食わせるのではなく、餌に寄ってきたやつを引っかけるというかなり乱暴なものである。狙いはカワハギ(ハゲ)である。この魚は口が小さく餌釣りではまんまと餌ばかりとられてしまい、なかなか釣りづらい魚である。だからもっぱらハゲかけ仕掛けで引っかける。ジャンボアミを詰めた小ぶりのかごの下の8本の針金に上向きに開いた8本の針(実際はダブルなので16本)の仕掛けである。岸壁から1メートルぐらい先の、水底から30センチほど上あたりにこれを落とし込み魚信を待つ。餌かごをハゲがつつく微妙なあたりを竿先に感じた瞬間に強く竿をしゃくり上げると、何本かの針が幅の広いハゲの体のどこかを引っかけてあがってくるのである。港の中の釣りなので大物は期待できず、せいぜい14,5センチぐらいの小さなものしか釣れないが、ハゲ特有の微妙なあたりがおもしろい。
         
今日は10数匹の小物のほかに、写真のような結構な型が2匹あがった。
上は27センチのウマヅラハゲで、下は23センチのマルハゲである。このグロテスクにも、ユーモラスにも見えるカワハギはこのままの姿では魚屋さんの店先には並んでいない。すでに皮が剥がされて売られている。カワハギは表皮に鱗はなく、紙やすりのようにざらざらした堅い皮で覆われている。捌くときにはまずこの皮をジャリッと指先で剥がさなければならない。カワハギと呼ばれるゆえんである。
釣った魚はすべて自分で捌いて食べるが、小さいカワハギは、頭の後ろに刃を入れて下に折って引っ張ると内蔵も一緒に取り除くことができる。今日は大きい2匹は皮を剥いだあと丁重にキモを取り出した。このキモがうまいのだ。今日は刺身、煮付け、吸い物、キモと、二人には余るほどのごちそうであった。