Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

「暦] 土用・丑の日・鰻

昨日は「土用の入り」で「丑の日」でした。土用丑の日はやはり「鰻」ですね。そこで、裏の側溝でミミズを掘り、鰻を釣りに行きました。狙う場所は近くの入江川河口ですが、潮見表によると今日は中潮で干潮12時43分、満潮19時58分で、満ち込みの15時過ぎに出掛けました。午前中の雨で川が濁っているのは鰻釣りには好条件です。釣り方は鰻針13号にミミズを1匹がけのブッコミ釣りというきわめて原始的な方法です。第1投目にさっそく来たのは親指ほどの太さの小型。幸先よしと二本目の竿を投げて待つこと長し。ぴくっとも引かず、ここはひたすら我慢。時間が少し早すぎるが、夕暮れ時の満ち込み3分、雨後の濁りなどと3拍子揃った好条件はそうそう訪れるものではない。4時半頃長い方の竿が大きく曲がった。グンと重い手応えです。くねくねと上がってきたのは50センチほどの結構な型の鰻でした。その後の1時間は、夕方近くでいいぞと思ったのですがダメ。結局今日は2匹という貧果。帰って直ぐに捌きますが、夕食の用意をしている妻の横で、ブツブツ言われながら背割りをして砂糖醤油に付け焼き。まぎれもない純国産天然鰻の蒲焼きを賞味しましたが、天然物は店頭の養殖ものに比べぶよぶよ太りではなく、脂が少なくて、私はこの方が好きです。
  
ところで、日本人の鰻を食べる習慣はずいぶん古くからのようです。1000年以上も前の万葉集の巻16に次のような和歌があります。
石麻呂に吾物申す夏痩せによしと云うものぞうなぎ取り召せ 大伴家持
夏バテ対策として古くから鰻を食べていたのですね。江戸時代後期に平賀源内が商売不振の鰻屋に頼まれて店先に「本日土用丑の日」と書い紙を張ったところ、以来その鰻屋が大繁盛したという話はよく知られています。源内センセは本草学者であり、また医者、作家、科学者まあマルチタレントだったわけですが、丑の日にうどん・梅干し・鰻など「う」の字のつくものを食べると長生きをするという俗信を思い出し、「本日土用丑の日」というキャッチコピーをモノしたわけですな。「土用」というのはもともと陰陽五行節から来ているものですが、ややこしいことはさておき、今年平成21年は、7月19日が土用の入りで立秋前日の8月6日が土用明け、その間丑の日が19日と7月31日です。7月31日にもう一度土用丑の日(二の丑)があるわけですから鰻屋さんが忙しいかも。土用は春・秋・冬にもありますが、「土用鰻」「土用干し」「土用波」「土用餅」など、土用といえば夏の土用がよく知られています。今日20日は「海の日」で海水浴場開きがあちこちでありますが、8月6日の土用明け頃からは土用波のうねりや、クラゲに刺されたりし始める頃で、田ノ浦や関の江の海は要注意となります。それにしても、海水浴シーズンに入っているというのに、今年は梅雨がいつまでも居座っていますね。来月の句会の兼題は同じつゆでも、「露」なのですが…。