Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 嗚呼、関の江海岸

 熊本、大分、福岡を2回にわたって襲った雨は「今までに経験したことのないような」豪雨だった。特に子どもの頃から親しんだ山国川の氾濫は、映像で見た青洞門付近の惨状等、自然の猛威をまざまざと見せつけた。
 別府湾に流れ込む6本の川はいずれも短くて川幅も小さく、幸いにも今回の大雨で氾濫の被害はなかった。ところが川の氾濫の実害は少ないものの、大雨のあとの別府湾は招かざる客に見舞われる。大分川や大野川、別府市内の6本の川等、大小の河川が流し込む大量のごみである。人工的な廃棄物や岸辺の蘆や木、竹などである。これらは水面を漂流しては船の航行をさまたげ、海底に沈めば漁網を損なう等漁業を妨害する。
 6月16日の海の日を前に、別府市ではスパビーチ、餅ヶ浜海浜公園、上人ヶ浜海岸、関の江海水浴場の4箇所で7時半からいっせいに清掃活動を行った。手袋とゴミ袋をもらって関の江の渚に立って、驚いた。ごみの山である。
   
 昨年までの例があるので予想はしていたが、先日の大雨の直後なので川から流れてきたと思われる木の枝や蘆などがおびただしく打ち上げられているのだ。
   
       人海戦術で塵芥収集
最初に見たときは気の遠くなるようなごみの量だったが、220人超の人数で約2時間かけて拾い集め、ほぼきれいになった。
ところが翌日の16日、海開きの神事が行われるので再び関の江海岸に行ってみて、唖然としてしまった。昨日拾ったはずのごみ以上の量のごみが、一夜のうちにまた海浜に打ち上げられているではないか。
   
 今朝早く、地元の古市町のボランティアと学生アルバイトが一箇所のごみを集めてくれたのだそうだが、その量たるや…。その大きなごみの山を横目に、期間中の安全を祈願し海開きの神事は粛々と行われたのであるが、初日の今日はごみが多く危険なので、海水浴は中止。予定されていたスイカ割りもオジャンとなってしまった。当分の間は大雨によるとんだお土産の処理に、毎日追われるだろう。8月12日までの海水浴期間中の、果たして何日泳げるのだろうか。
    
 関の江海岸は、冷川右岸(南側)は大金をつぎ込んで目下海浜整備中である。砂を運んで海水浴場として楽しめるようにということであるが、別府湾の最も奥まったこの海岸は、ごみの流れ寄るポケットである。きれいな海岸に人工的に生まれ変わっても、流れ寄るゴミの処理はできるのだろうか。
ごみが流れ着いても、左岸(北側)の砂浜だけは現状のまま残してほしいと願うや切である。なぜか。それは自然の砂浜と、そこに生きる貴重な植生を保全してほしいからである。
   
 散歩の途中に、季節きせつの砂浜の目立たない花々を観察し、デジカメする庶民の楽しみを奪わないでほしい。