6月の花
うっとうしい黴雨が続いています。雨の止んだ頃を見計らって散歩に出ると、長雨の下、花々が造化の妙を見せてくれます。
トケイソウ(時計草)
見れば見るほどマッコト、時計に似ています。原産地はブラジルからペルーの熱帯域らしいが、日本へは江戸時代初期に渡来したとか。
一匹の蟻針に見ゆ時計草 阿波野青畝
ガクアジサイ(額紫陽花)
これも時計に見えないこともないが、梅雨の花の筆頭、紫陽花(これはガクアジサイ)です。手毬状のアジサイの原種がガクアジサイ(額紫陽花)です。七変化、八仙花、四葩(よひら)等ともよばれます。
額の花こころばかりが旅に出て 森 澄雄
インドハマユウ(印度浜木綿)
正しくはアフリカハマユウらしいが、なぜか印度ハマユウの名が通っています。
遠のくものよ国生みの山も浜木綿も 金子兜太
ダリア
このキク科の多年草は中南米の高地原産で、世界で3万種以上が栽培されているそうです。小学校の校舎前の花壇に、いっぱい咲いていた記憶があるほどポピュラーな花。
ダリア剪る生涯の妻の脚太し 清水基吉
ホウセンカ(鳳仙花)
南アジア原産の1年草。つまべに・つまくれないというロマンチックな名の由来は、赤い花弁を絞って、女の子が爪を染めて遊んでいたからだといいます。
湯の町は端より暮るる鳳仙花 川崎展宏