Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

白い花が咲いてた

      
西方の霧が明るむ山法師  能村登四郎 
梅雨の前から緑の葉の上に真っ白く見えるこの花はミズキ科の落葉高木で、ヤマボウシ(山法師)といいます。華やかで、かつ、清楚な感じのこのヤマボウシの花は私の好きな花の一つですが、山に咲いているのを見ることがあっても、カメラに収めることの難しい花なのです。なぜかといえば、4,5メートルの高さの木の葉の上の方に咲くので、真下からは花がよく見えないのです。かといってずっと退いてしまえば全体は撮れるものの、一つ一つの花びらまではよく撮れません。ところが今日の散歩で、近所のお宅の庭に咲いているヤマボウシを見下ろせる石段がすぐ横にあるのです。急な石段を10段ほど登ったところからのアングルで撮ってみましたした。
 中心に頭状のかたまりがあり、このかたまりが法師の頭、花のように見える総ほう(くさかんむりの下に包)を頭巾に見立ててこの名が付いたといわれます。 
      
      
十薬を煎じ詰めれば母がいる  長浜聡子
我が家の狭庭の周辺に、毎年梅雨前からはびこってくるしたたかな繁殖力を持つ花です。抜いても土中深くに根が残ってどんどん増え憎らしい限りですが、花は可憐です。ドクダミという名は「毒を矯める」の意で、薬草として効用が多いため「十薬」ともいいます。健康ブームにのって、陰干ししたものをドクダミ茶などといって商品化されてもいます。子どもの頃、ウナギテボのなかにシュロの網皮でくるんだミミズを詰めたあと、このドクダミを押し込んで川に漬けウナギを捕っていたものです。ミミズの匂いにプラスして、強い臭気のこのどくだみの葉がウナギを誘ったのでしょうか。
    
      
山あぢさゐ手鏡に風あふれしめ  田中とし子
内竈の県道のガードレールの外側の路肩部分に、近くの方が育てているアジサイが今年もそろそろ色を付けてきました。これはヤマアジサイですが、山の沢を好むのでサワアジサイともいうそうです。アジサイにはカットやイラストでよく見るように雨と雨蛙が似合います。「紫陽花」の字をあてたのは平安時代の学者・源順(みなもとしたごう)ですが、本来の紫陽花は唐の詩人・白楽天命名したもので、この種は陽を好み「気香(かん)ばし」と詠じ、アジサイとは別の花というからややこしい。別名「七変化」「四葩(よひら}といい、「七変化」は花の色が白から藍、紫、紅と変わることから、「四葩」は花びらのように見える四枚の萼を中心に細かい花をつけることからきた名前です。
 その他今日はテイカカズラ(上)、ハナウド(下)などの白い花に出会いました。