Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 オバマ大統領の政策

大統領就任から1週間たったオバマ氏は、1年以内にグアンタナモのテロ容疑者収容施設を閉鎖し、容疑者への拷問禁止を命ずる大統領令を発した。ここには、国際テロ組織アルカイダの幹部ら約250人が収容されているが、米兵による収容者虐待が発覚し国際社会から激しく非難されていたところである。いわばブッシュ政権時代の負の遺産の解消の第1弾である。
グアンタナモとは
    
1898年、米西戦争で勝利したアメリカはスペイン領だったカリブ海諸国を自国の支配下に置いた。キューバが独立した1903年、アメリカとキューバは条約を締結し、グアンタナモを年2000ドルでアメリカが租借することに合意した。1934年に条約が改正され、租借領を年4085ドルとするとともに租借が終了するのは、(1)両国の合意があった場合か(2)アメリカが基地を一方的に破棄した場合と決められた。また、条約上「主権を持つのはキューバだが、アメリカが完全な司法管轄権、行政支配権を持つ」とされた(戦後の沖縄の1972年までとそっくりだ)。つまり、法的にはキューバ領で、アメリカが実効支配をおこなっている。1959年にフィデル・カストロ共産主義革命を起こして親米のバティスタ政権を倒して(1月20日のブログ「チェ 28歳の革命」参照)アメリカ資産の接収,農地改革をおこなってから、アメリカとキューバは国交断絶のまま今日に至っていることは周知の事実だ。そしてグアンタナモの米海軍基地は〈敵国の中の軍事基地〉として今日も存在し、その基地内にテロ容疑者の収容施設があるわけである。問題は収容所閉鎖後の容疑者の処遇である。そのまま釈放すればテロを実行する危険は大である。EU諸国で移送後の収容先を引き受けをしようという国もあるようだがが果たして…。閉鎖までの1年間にこの問題はどう展開するのだろうか。ただ、オバマカストロは友好の方向に向くような気配であるので、アメリカとキューバが近づけばこの問題のプラス要因になるかもしれないと思うのは素人考えに過ぎるか。