Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 路傍の花

彼岸過ぎて暖かくなったら草木の緑が目にしみ、花々が一斉に蕾を開き、目を楽しませてくれる。
今日もきょろきょろしながら、2時間足らずの散歩中に出会った道ばたの野花を、コンパクトデジカメに収めた。
カラスノエンドウ
グリンピースにそっくりの赤紫の蝶形花をつける。スズメノエンドウより花も豆も大きい。関の江新町の上の堂面棚田は猪よけの金網が張り巡らされている。この金網に葉の先の巻きひげを絡め、よじ登っている。
猪垣にカラスノエンドウしがみつく  耶馬渓
菜の花

春の花と言えば菜の花、アブラナ科のこの花は菜種油採取用に栽培する畠だけでなく、今やどこにでも見られる路傍の花の最たるものであろう。
菜の花といふ平凡を愛しけり  富安風生
シャガノハナ 

アヤメによく似ていて、半日陰を好むようで、道路下の大きな木の下に咲いていた。漢名は胡蝶花というそうだ。神社の境内でもよく見かける。
あたらしき柄杓が置かれしゃがのはな  川崎展宏
(原句のしゃがのはなの「しゃ」はくさかんむりの下に者、「が」はくさかんむりの下に我) 
野苺の花

ふつう苺といえば幕末に輸入されたオランダ苺をさし、今ではこの種の改良種が1年中スーパーに並んでいる。夏の散歩の途中、藪からちょこっと覗いた野苺の真っ赤な実をつまむと野趣に富んだ甘酸っぱい味がする。今、5弁の真っ白い花を咲かせている。
花の芯すでに苺のかたちなす  飴山 実
踊り子草

わかりやすいネーミングである。少し下から花を見上げると、笠をかぶって踊る踊り子のように見える。季は春ではなく夏に入っている。
摘みし手に踊り子草を踊らせて  稲畑汀子
諸葛菜

中国から江戸時代に渡来したという。三国時代の蜀の諸葛孔明が栽培を奨励したということからこの名がある。「花大根」ともいうが「大根の花」ではない。さほど多くはないが、群生していた。
雨に濡れ花のやさしき諸葛菜  矢崎春星
蒲公英


黄色がふつうだが、シロバナタンポポを見たことがある。今見られる蒲公英はほぼ西洋原産の帰化種らしい。若葉が食用になるということだが、食べたことはない。
たんぽぽのサラダの話野の話  高野素十
烏麦

燕麦(オート麦)、雀麦、茶挽き草ともいう。季は夏。カラスが食っているところを見たことはないが、雀なら餌にするかもしれない。
生えてゐるだけの気楽さ烏麦  山口いさを
木蓮

木蓮といえば紫か白の花、と思っていたが、民家の庭先になんと薄い黄色の花を見つけた。紫木蓮や白木蓮の盛りはもう過ぎたが、この薄い黄色の木蓮は今が盛りであった。
木蓮や読書の窓の外側に  正岡子規