Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

蕗の薹

昨日23日は旧暦の元旦であった。そろそろ顔をのぞかせているだろうと、散歩コースの「堂面棚田」の例の場所に行ってみた。薄緑の皮かぶりの蕗の子が10数個も出ていた。なんと、一つだけもう花をつけていた。
ことしまたここにうれしや蕗の薹  剛誠 
 
蕗はキク科の多年草で雌雄異株。特有の香りとほろ苦い風味が早春の得難い酒肴となる。ひとくちに蕗の薹というが、左の写真のように芽吹いたばかりのものを「蕗の芽」とか「蕗の子」といい、成長すると右の写真のように「蕗の花」を咲かせる。さらに、茎が4,50センチにまで伸びると花が咲ききり、白い冠毛をつける。いわゆる“薹が立った”状態である。これを「蕗の姑」とか「蕗の祖父(じい)」というそうだ。天ぷらや蕗味噌、あるいは焼いて食べたりするのは、蕗の子の状態の時が最適である。
 
蕗味噌と佃煮の絶品の肴で、ついいつもより晩酌がすすんでしまった。
水ぐるまひかりやまずよ蕗の薹  木下夕爾
蕗のたうほろほろにがき香さへしてさやかに吾れの手につまれけり  馬場あき子