Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 アジサイ

しとしと降る雨に濡れてひときわ目立つ花がアジサイである。散歩途中で見かけたアジサイを撮った。大ぶりの毬状の花はガクアジサイ(額紫陽花)を園芸用に改良したものというが、原種のガクアジサイそのものも、あまり目立たないが風情がある。

 
このガクアジサイは花を中心に4枚の萼が囲んでいることからつけられた名前と言うが、このことからまたの名を四葩(よひら)ともいう。色が白から黄、緑、藍、淡紅と変化することからアジサイの別名を「七変化」ともいうことはよく知られている。
控へめに縁切寺の額の花 杉山青風
 
紫がかった紫陽花をよく見ると、緑色したイナゴがとまっている。
森駈けてきてほてりたるわが頬をうずめむとするに紫陽花くらし 寺山修司
アジサイは、ユキノシタ科の落葉低木である。ユキノシタ科とは意外であるが、そのユキノシタ、実家の前の石垣に群生していて、髭のような白い花がいま満開である。花が鴨の足に似ていることから「鴨足草」という字を当てたり、トラの耳に似ているから漢名では「虎耳草」の字を当てる。葉が常緑で、雪の下でも緑を保っているので「雪の下」と呼ばれる。ユキノシタの葉は天ぷらにパリッとあげるとおいしい。

紫陽花はさまざまな色彩を楽しませてくれるが、四葩、七変化の他に八仙花、刺繍花、瓊花(たまばな)、あづさゐ、手毬花とその名前も多い。桜は一片ずつ散り、椿は首ごと落ちるが、アジサイの花は散ることなくそのまま枯れてしまうのが私には潔くないとも、また、痛々しくも感じる。紫陽花に雨蛙というのは梅雨時のカット絵の定番であるが、最近、青い雨蛙を見なくなった。
青蛙見ぬこと久し濃紫陽花 渓石