Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 人並みにゴールデンウィーク

 その1 深耶馬溪ゴールデンウォーク
リタイヤ後、‘サンデー毎日’となってからは、混雑する連休期間はお出かけを避けてきているが、連休初日の4月29日(昭和の日)だけは深耶馬溪の新緑を楽しむことにしている。お目当ての深耶馬溪ゴールデンウォークも今年で24回目とか。ゴールデンウォークはこの日の耶馬溪新緑まつり」のいくつかのイベントの中の一つなので、祭りの開会式の長々とした挨拶がすんでからの出発となり、10時過ぎにやっとスタート。
先ずは麗谷(うつくしだに)コースの往復3,2キロは、険しい山道である。
         
鶯や麗谷の鎖道
苔むした岩肌沿いの、鎖の手すりを頼りに急坂を上り行くと、まぶしい新緑のどこからか鶯の声が聞こえる。
来た道を折り返し、次はもみじ谷コースの往復4,2キロである。このコースは、玖珠郡に続く県道28号線を山移川沿いに遡る。麗谷コースに比べて舗装道路ばかりなのが物足りないが、大小の楓の瑞々しい若葉が心身をリフレッシュさせてくれ、フィトンチットで全身が癒される。
往路の右の清流には若楓をすかした初夏の日差しがきらめいて、ハエが数匹泳いでいる。川中には鋭角に尖った巨岩が折り重なってい、見上げると屏風岩、烏帽子岩などと名付けられた奇岩の群峰である。国定公園耶馬溪の名に恥じぬ独特の景観が続く。         
谷川に巨岩累々若葉風
今回はTさんが愛犬「ホルン」君を伴って、ご夫人と一緒の初参加である。ホルン君は誰にも愛想がいい可愛い犬で、たちまち同行者の人気者となった。鼻の横にマムシに噛まれた傷跡があるのには驚いた。
勲章は蝮に噛まれし傷の跡

もみじ谷コースの折り返し点の軍艦岩をバックに、はいポーズ。
昼食のやまかけ蕎麦を待つ店の欄干越しに、しきりにカジカが鳴いていた。
河鹿笛やまかけ蕎麦を待つ茶店
             イベントの一つの麻生神楽を終わる直前に見ることができた。なんと、鬼の面をつけた舞手は女性であった。
連休の初日なので、多分、ゴールデンウィークをもじってつけたネーミングの“ゴールデンウォーク”、やまかけ蕎麦、温泉入浴券、保険つきで800円という参加料の安さも魅力的なこのウォーキング。次回もホルン君と一緒に参加したいのココロだー。

その2 チャリティーコンサート       

ウォーキングの汗を毎回おなじみの「もみじの湯」で流したあと、みんなと別れ、コンサートを聴きに日田市へ向かった。姉から米良美一のチケットがあると連絡を受けていた。パトリア日田へ出かけると、チャリティーコンサート「チェルノブイリ原発事故から25年・東日本大震災復興を願って」の看板。
コンサートのメインはピアニスト久保山菜摘第7回ル’セルクルチャリティーコンサートであり、そのゲストに米良美一を招いたのであった。第1部の「平和授業の再現」のあと、久保山菜摘のピアノソロはグリンカの「ひばり」他4曲であったが、特に最後のリストの「ラ・カンパネラ」の華麗な演奏はみごとであった。久保山菜摘はまだ19歳。パンフレットの経歴紹介によると、4歳でピアノを初めて以来各種のジュニアのコンクールで受賞し、6歳の時の日露交流コンサートで海外の情勢に興味を持ち始め、5年生の平和学習で「世界中には苦しんでいる人たちが沢山いる」ということを知り、6年生よりチャリティーコンサートを開き、NPOなどの海外ボランティア団体に募金を続けた。その後若い女性のボランティア活動を称える国際的な賞を受賞して2009年からは「平和の祈り」コンサートを各地で行い、学校訪問コンサートにも取り組んでいるという異色の音楽家なのである。彼女については寡聞にして知らなかったが、ピアノ演奏だけでなく作曲も手がけ、第2部の米良美一の朗読のバック演奏は彼女の作曲であった。
ゲストの米良美一は真っ赤なコスチュームに身を包んで登場。北原葉子のピアノ伴奏で日本の歌、童謡を中心に11曲を唱った米良美一が、「もののけ姫」のテーマ曲を唱った頃のあの独特のカウンターテナーの美声は、やや衰えを見せていた。アンコールとして歌った「よいとまけの歌」は、彼の学費を稼ぐために土方として働いていた母親と重ねて情感を込めて熱唱し、満席の喝采を浴びた。
久保山菜摘はピアノの技量はいうまでもなく、その語り口やチャリティー活動へのひたむきな思い入れなどというものが、19歳とは思えない程しっかりとしている。今後の活躍が期待されるアーティストである。