Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 『12歳の文学』

 先日、ユニークな装丁の『12歳の文学 第5集』(小学館)が送られてきた。帯には「珠玉入賞8作品 小学生が紡ぐ8つの宝石」と、これも華々しい。
 この本は、小説部門の大賞、優秀賞、審査員特別賞の8作品を集めたもので、本の送り主は審査員特別賞を受賞した工藤みのりさんである。
この本に集められた8本は全国から応募した小説部門1276作品の中から、石田衣良あさのあつこら人気作家達の審査を経て栄冠を勝ち得た作品であるが、SF的なもの、ホラー的なもの、ノンフィクション的な創作とさまざまである。一読して、本当に小学生が書いたものだろうかと驚くばかりの小説である。さて、工藤みのりさんの作品は審査員特別賞を受賞した『ミレ』である。20ページあまりの短編小説だが、審査員の樋口裕一氏は「ことばによって情景を喚起する力は見事。しかも文体そのものによって読者を引きつける力を持っている。豊かな将来性を感じた。」と選評している。で、『ミレ』ってどんな内容の小説か?それは書店で買って読んでミレ(^_^) 
みのりさんは別府生まれの別府育ち。この4月に別府市立別府中央小学校の6年生になったが、『ミレ』は5年生の時に書いたもの。彼女は幼少より両親や小論文指導「白藍塾」で文を書くことを学び、今まで作文コンクールや小論文、エッセイ、意見文、課題作文などに挑戦し、何度も受賞している作文のいわば“小さなベテラン”である。これまでに書いた文章をまとめて『小さい本』という自家製本を、すでに3冊も公にしている(当ブログで既報)。小さい頃から本が大好きな女の子だが、決して引きこもりがちな‘読書オタク’ではない。ダンスが趣味で、プロバスケ大分ヒートデビルズのチアガール「デビルガールズジュニア」のリーダーも務める。また、父親の指導で書道3段の腕前でもある。小学生小説家の誕生であるが、今後の作家としての成長が楽しみな少女だ。有頂天に天狗にならずに、たくさん読んで感性を磨きたくさん書いて欲しい。毎月、工藤家発行のこどもしんぶんが届くが、ピッカピカの1年生になった妹のわかばちゃん共々、いろいろなことに挑戦している姉妹の様子を見られるのは楽しいものだ。