どこかに春が
やっと風邪が癒えたようなので、4日ぶりに散歩に出かけた。まだ、寒のさなかであるが、春の息吹を探して歩いた。
春の花では菜の花が最初に目にとまる。
菜の花といふ平凡を愛しけり 富安風生
山路来て何やらゆかしすみれ草 松尾芭蕉
犬ふぐり星のまたゝく如くなり 高浜虚子
冷川支流の小流れの脇に、もう蕗の薹が顔を見せている。
ことしまたここにころころ蕗の薹 古希漢
こちらのホトケノザは七草のそれ(コオニタビラコ)とは違うが、真上から見た葉が蓮の台に似ているのでホトケノザの名がある。暖かくなると畠にびっしり生えてくる雑草だ。
ジョウビタキのメス。鳥類はなべて、オスに比べて衣装が地味である。群れをつくらず常に唯我独尊、孤高の鳥で縄張りをつくり同族が近づくと追い出す習性がある。「ヒーッ、ヒーッ」「カッ、カッ」と鳴くが、オスは黒い羽の中央に白があって紋付きを着ているようなので、モンツキドリという異名もある。庭に着て4,5メートルに近寄っても逃げず、割合人なつっこい。
良寛の手鞠の如く鶲(ひたき)来し 川端茅舎
上の藪の中から下の棚田に向けた獣道。舗装路を横切ったイノシシの足跡らしき泥のあとがいくつも見られた。