「こうのとり」宇宙へ
毎日新聞社 野田 武 撮影
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は今日午後2時37分、種子島宇宙センターから国産大型ロケット「H2B」2号機の打ち上げに成功したというニュース。12月に金星探査機「あかつき」が金星周回軌道に乗れなかったという失敗のあとだけに、きょうの打ち上げ成功はうれしい限りである。
このロケットには、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士の食料や飲料水、生活用品、実験機器など80キロの物資を積んだ無人補給機(HTV)愛称こうのとりを搭載している。今まで活躍したアメリカNASAのスペースシャトルが引退したあとのISSとの連絡に重要な役割を果たすことになるこのロケットは,ISSに結合したあと廃棄物を積み込んでISSから離れ、大気圏に再突入して燃え尽きる予定という。
2009年1月、H2A5号ロケットとともに打ち上げられた雷観測の小型衛星の愛称は「まいど1号」であった(2009/01/24本ブログ既報)。昨年、小惑星「イトカワ」から貴重な微粒子を持ち帰った小型宇宙探査機の愛称は「はやぶさ」であった。親しみやすい愛称の乗り物で、日本と宇宙の間の行き来ができる日も遠くはないのかもしれない。遅れているといわれてきた日本の宇宙科学技術も、少しずつ先進国に迫りつつあるのだろうか。宇宙科学研究には膨大なお金がかかるが、新年度予算編成にむけて、科学技術部門の予算は仕分け対象になりやすく、ばっさりやられそうな気もするが…。