Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 朝開暮落花?

 オクラは黄色い上品な花をつけ、花が散ったあとに直ぐ実が生ります。オクラは、キウリやナス、トマトなどの苗と同じ頃店頭に並びますが、早く植え付けてもなかなか大きくならず消えてしまい、今年も二度植えしました。やっと花から実になり三つほど食しました。花はフヨウによく似ていますが、木槿の仲間でアオイ科です。
下の写真の左はフヨウではなくトロロアオイです。右は立葵で別名「梅雨葵」です。江戸時代の随筆に、下で咲き始めると梅雨入り、上まで咲いたら梅雨明けと記されています。最後の花は八重のソコベニという木槿です。
 
 
九州南部と関東甲信地方は梅雨が明けたようなのに、ここ別府はまだのようですが日中の暑さは既に猛暑です。
梅雨が明ければ盛夏です。盛夏についての倉嶋厚さんの名文をそのまま紹介します。

朝開暮落花
盛夏を代表する「木の花」にキョウチクトウサルスベリムクゲ、フヨウがあります。これらは梅雨期にすでに咲いていましたが、やはり真夏の青空と白い雲に似合う花です。
 俳句歳時記では、キョウチクトウサルスベリは夏、ムクゲとフヨウは秋に分類されています。キョウチクトウに半年紅、サルスベリ百日紅の別名があり、ムクゲに「無窮花木」の字があてられるほどに、いずれも花期が長く、秋まで咲き続けます。そして暦では8月7日が立秋ですから、真夏の花は、感じ方の微妙な違いで秋の花になってしまうのでしょう。
 古句でも「暑き日を集めて咲くや百日紅」(素丸)は真夏、「百日紅秋に心のうつるなり」(五明)は初秋です。
 花期が長いといっても「散れば咲き散れば咲きして百日紅」(千代女)であり、キョウチクトウも黒くしぼんだり赤く燃え上がったりを繰り返します。また、ムクゲやフヨウは一日花(二、三日咲いているものもある)で、朝咲いた花は夕方には落ち、翌日には別のつぼみが咲く。そうしながら、秋まで咲き続けます。
 大漢和辞典では、ムクゲの別名は「朝開暮落花」
「それがしも其の日暮らしぞ花木槿」(一茶)
「暮れの鐘きかずにしぼむ芙蓉かな」(木導)

<< (参考:『季節よもやま辞典』倉嶋厚著 東京堂出版