Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

ものの芽

春霖か菜種梅雨か、このところぐずついた天気が続きます。関東以北では雪となっていますが、三寒四温というように、暖かくなったかと思えばまた寒さがぶり返しています。
冴へ返り冴へ返りつゝ春央ば 西山泊雲
しかし、着実に春になりつつあると感じるのは、草木を見たときです。隣の造成空き地には草の芽が伸びてきました。歳時記には下萌・草萌・草の芽・ものの芽・芽吹く・芽ぐむなどの季語が並んでいます。
 
ものの芽や吾子の胎動ひしと抱く 田尻史朗
裏庭のあじさいの芽も膨らんできました。山椒はまだ芽吹いては居ませんが、堅い丸っこいものがだんだん大きくなってきました。
 
よく見ると、草の芽も木の芽も、はじめはみんな堅くて尖っています。まだ冷たい風、硬い土から芽を出そうとするときは、最小限の表面積と尖った形と固さが理に叶っているのでしょうか。『早春賦』の歌詞に≪蘆は角ぐむ≫がありますが、冷川河口の蘆は、尖った角がもう葉に育ちつつあります。
 
 霊長類ヒト科ヒト属、ホモ‐サピエンスも若いときは頑なで尖っています。既成の環境や大人の価値観・権威に逆らってこそ、成長のエネルギーを蓄えていくものなのでしょうか。河島英五の「野風増」の歌詞に≪生意気ぐらいがちょうどいい≫というところがありましたなあ。少年期、青年期の男はとがっていて、生意気ぐらいがちょうどいいようです。頃は卒業、入学、入社と新しい門出のシーズン、万物の若い芽の成長を見守りたいと思います。
◇上の写真は今日の散歩で撮ったものばかりです。無農薬、産地直送です。