Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

早春の色

この時期は、草萌え・草青むなど早春はだんだんとあおい色が目立ってくる。ひとくちに「あお」といってもすぐに思いつくのは青・碧・蒼などいろいろあるが、辞典を引けばまだ「あお」という字があるだろう。草「青」むや信号の「青」は「緑」だが、藍色や水色など、「あお」は豊かな色彩である。さて、下の写真は何でしょう?洋菓子をナイフで切った断面?いやいや、近くの冷川の河口の岸壁に、厳冬の頃からびっしりと着く青海苔である。毎年、早春のころさまざまな美しい緑色を見せてくれて楽しい。

これを見るにつけ思い出すのは、中津の山国川河口付近の青海苔掻きである。おばちゃん達が冷たい水に入って石に着いた青海苔を掻き採っては籠に入れ、天日干しする。よく乾いたのが店に出るが、少し火に炙って手で揉み、ご飯にかけたりカキモチに入れたりして食べると早春の香りが口いっぱいに広がる。たまたまきょうのNHKローカルで、この中津の青海苔干しの動画映像を見ることができた。
毎年今頃は、梅・蕗の薹・青海苔の三点セットの色と匂いが脳にスイッチオンされて、目と鼻と舌で確かめたくなるのである。
青海苔や水にさしこむ日の光 正岡子規