柊の花
柊(ひいらぎ)は、モクセイ科の常緑樹で暖地の山野に自生するが垣根にも植えられる。初冬に白く小さな合弁花を開き、香りがよい。柊は「疼木」の義で、「ひひらぐ」は痛むこと。葉の縁に棘状の鋸歯があることから、触るとと痛いことから起こった名である。老木では葉に鋸歯が無くなることが多いらしい。二月の節分の日、柊の小枝を戸口に挿して魔よけにする風習があるそうだが、いまだかつて見たことがない。
写真は亀川古市の垣根で見た1本の柊であるが、上の写真は下の方の枝で葉に棘があり。下の写真は上の方の枝で、葉に棘が無く丸いが、同じ白い小花をつけ、近づくとほのかな甘い、木犀より淡い香りがした。
白秋の門下生で、コスモス代表となって歌壇の一世を風靡した歌人に宮柊二がいるが、名前にするぐらいだから柊が好きだったのだろう。
人間サマも、歳取れば柊の葉のように角が取れて丸くなるというが、昨今は丸いどころか、とがってキレる老人が増えたという。後期高齢者いじめがひどくなれば、老人もそうそうまーるくなってばかりはいられないだろう。
柊の花一本の香かな 高野素十
あともどりして柊の香りかな 剛誠