Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

初冬の旅

小春日和と時雨
 18日・19日の小旅行は、妻にとっては初めてのところで楽しかったようだが、歩き慣れない彼女は足に負担がかかりやや疲れたようだ。
 萩・津和野では時雨や雪に見舞われ、宮島・錦帯橋は小春日和といってよい天気だった。まさに、山陰、山陽の対照的な今時の季節を二日間で体験できた。
  



お天気博士・倉嶋 厚さんの『季節よもやま辞典』に次の一文がある。
「小春日和と時雨」
 陰暦10月の別名は小春であり時雨月です。(中略)小春日も時雨月も、いちいちその年の陰暦の日付にとらわれることなく、晩秋・初冬の言葉として使ってよいと思われます。
 冷たい雨を降らせた低気圧が東の海上に進むと、気圧配置は一時的に西高東低の冬型になり、大陸からの北西季節風が「木枯らし」となって日本列島を吹き抜けます。この風は日本海東シナ海から水蒸気をもらうとともに、下から暖められて対流を起こし、団塊状の雲をたくさん作ります。その雲の一つ一つが通るたびに、日本海側の地方や、日本海側と太平洋側の間の山間部では、空が陰って通り雨が野山をぬらしたかと思うと、また日がさして紅葉が美しく輝くのを、1日に何回も繰り返します。それが時雨です。そして、その後すぐに、大陸からの移動性高気圧が日本を通過し、ほぼ全国的に穏やかな小春日和になります。  
 松尾芭蕉は元禄7年10月12日(太陽暦11月28日)に大坂の御堂筋で51歳の生涯を閉じました。おりしも初時雨の季節であり、また芭蕉が時雨を愛したことから、この日は「時雨忌」と呼ばれるようになりました。
 「旅に病んで夢は枯野をかけ巡る」は臨終の4日前の句です。(’90,11,12)