Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 「雨水」の生き物

 今日2月19日は24節気の一つの雨水(うすい)である。この頃になると、雪が雨に変わることからこういうと歳時記にある。ところが、雨水はこの日だけではなく、今日から啓蟄の前日までの15日間をいう、とお天気博士・倉嶋厚さんの『季節よもやま辞典』で知った。
 日記を繰ってみると、今月は13,14,15日は雨で、「木の芽起こしの雨」と記している。ところが、17,18日は降ったり止んだりの雪であった。19日の今朝、二階のベランダから外を見ると、夜のうちに降ったらしく隣の屋根や我が家の大農場にはうっすらと積雪。居間の室温は4度Cであった。
   
冴えかえるもののひとつに夜の鼻  加藤楸邨
今年の冬は長く、記録的な積雪の北国である。雪下ろしや落雪などの、雪による事故の犠牲者が100人を超えたという。雪国では白魔と恐れられる雪である。
 昨年の元旦と1月16日には、家の前の凍結した坂道に身動きとれなくなった車が何台かあったので、今年は、融雪剤の塩化カリを2袋用意したが、今のところ出番はない。
   
今頃の季節は、冬と春が来たり戻ったりするものだが、散歩の道々、確実に春の息吹は見えている。イヌフグリも菜の花も、早くも春の日の恵みをいっぱいに受けている。
  
鳩は草の萌えはじめた田んぼで脇目もふらずに、何か啄んでいるし、鯉も餌を漁って動き始めた。
  
生きるとは食らうことなり下萌ゆる  古希余 
 
あちこちのヤブツバキが、テラテラ光る固い葉っぱの間から顔を見せている。今年はいずこも梅の開花がかなり遅れているという。毎年真っ先に花開く峠道の早梅も、数日前の雨でやっと開いてくれた。一重の花びらだが良い香りがして、小枝を一枝いただいて助手席に置いたら、車の中は甘い馥郁たる香りに満ちた。この梅は、一昨年は1月16日に綻んだとブログに書いている(2010/1/16 Himagineの日記 待春)ので、今年はちょうどひと月遅れということになる。
今日も植物のしたたかな生命力に感動を覚える姿に遭遇した。
 
上は、多分ウルシの木であろう。間知石(けんちいし)で築いた急勾配の石垣に生え、石と石のほんのわずかな隙間に根を添わせて、がっちりと石垣をつかんで生きている。よく見ると。自らの落ち葉が石の間にたまっているが、これが腐葉土となって自らの生命を養っているのだろう。ただ、この様相が石垣をより堅固にするのか、逆に根が石を持ち上げて石垣を破壊するのかは、わからない。
下は落葉樹だが“この木何の木不思議な木”で名前はわからない。以前、小さい株の時に、将来は金網ののどっち側に成長するんだろうと思っていたが、大きくなった今はご覧のとおり。大小2本あるが、右の幹は金網の向こう側に生えているが、左の枝はこちら側に出てきて金網を食っているような形で成長している。右側の小さい木はもともと金網の手前側の、道の端に生えていたのが、途中で株の上から一端伐られた形跡がある。再び芽を出したが、手前側ではまた伐られたら叶わんと思ったのか、枝を金網の向こう側に伸ばしそのまま成長している。
いずれの木も、逆境にめげぬ強靱な生命力である。「したたか」は漢字で「強か」をあてるが、いやー、マッコト、ツヨカバイ。植物に脱帽!!
      
繰り返しくりかえしつつ蕗の薹  古希余