Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 音楽療法

先日、別府北部地区公民館で「音楽を通して心も身体も健康になろう」と題する中高年代現代セミナーがあり、若い女性の音楽療法士が講師ということに興味があって受講した。講師は公民館近くのK病院の先生で、音楽療法士言語聴覚士の肩書きを持つ。かつて同じ男声合唱団で歌っていた方が音楽療法士の資格を取るために勉強しているということを聞いていたので、音楽療法に関心を抱いていた。講師の説明によれば、音楽療法とは

『音楽の持つ生理的・心理的・社会的特性を用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容に向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること』(日本音楽療法学会

という。講師は、大きな文字の歌詞の紙を黒板いっぱいに貼って、巧みなキーボード伴奏で受講生の唄を誘い出した。

長期記憶を呼び戻すためには、昔歌ったことのある唱歌や童謡がよいそうで、特に認知症の患者には効果的とか。長期入院の患者は季節感が無くなるので、その季節に合った、たとえば冬ならば『雪』、『冬の夜』、『冬景色』などが効果的で、受講生の我々もこれらの曲を楽しく歌った。
音楽は自然に身体の動きを誘発する。伴奏があるからラジオ体操が楽しくやれるし、行進曲があるから入場行進が揃うように、音楽は身体運動をスムーズに誘う。実際に『うさぎとかめ』を歌いながら、歌のリズムに合わせて自分の肩叩きを、8回−4回ー2回−1回ーパチンとやってみたが、これも誰でも楽しくやれる。グーとパーを『桃太郎さん』の曲に合わせて交互にやり、さらにこれを左右の手を逆にやってみるが、これはちょっと戸惑ったり間違ったりする。そのほか、右脳(音楽)と左脳(言語)を使い分けた脳トレも音楽を使ってやってみた。カラーチーフを使った『バラが咲いた』も面白かった。
  
身体の健康にも音楽は効くという話。歌唱は口腔(舌、唇)の機能に役立ち、心肺機能の維持向上に効果がある。ぱ・た・か・らという発音は舌や唇の使い方が違って、これを繰り返すことで発音の違いをはっきりさせることができると教わり、みんなで実際にやってみた。
音楽に合わせて踊ることは、全身の運動機能の維持向上にたいそう役立つということで、『あんこ椿』を受講生みんなで踊った。「三日 おくれのー 便りを 乗せて 船ーはー出て行く−」と、初めはぎこちなかったが、最後の3回目にはなんとかサマになったものだ。
ちなみにこの講座で紹介し歌った曲は次の通りである。
雪・冬の夜・冬景色・孫・東京ラプソディ・ウサギとカメ・桃太郎・バラが咲いた・夜明けのスキャット・あんこ椿・千の風になって
我が男声合唱団豊声会の持ち歌の一つに、「男声合唱のための唱歌メドレー『ふるさとの四季』」12曲があるが、これは音楽療法用の曲に最適かもしれない。
患者になった気持ちで聞いた、音楽療法士による実演参加型講座であったが、中高年にふさわしい内容の2時間があっという間に過ぎた。事後アンケートには、勿論◎をつけた。