Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

深みゆく秋

朝夕はだいぶ寒くなった。まだ暖房は入れないが、身につけるものは慌てて冬物を出した。散歩の道々、深まっていく秋を感じる。テレビのローカル局では、桜の開花情報のように、楓の名所の紅葉情報も提供されている。

一輪咲いているゲンノショウコによく似た小さな花を見つけた。かがみ込んでよく見ると、何とも愛らしい。ゲンノショウコは「現の証拠」と書くほどに、薬効が優れているのだそうだ。下痢止め、健胃剤として昔から民間薬として煎じて飲む。花びらが五弁ではなさそうなので、ゲンノショウコではないかもしれない。
 
秋風をわづかに染めぬ烏瓜 原 石鼎 
この赤い烏瓜は、子どものころ実を割ってみて、種子が大黒様のような形をしていたのを思い出す。夏に咲く烏瓜の花が白いレースのような、もじゃもじゃの花なのも面白い。 
野葡萄のむらさきあはき思ひかな 島谷征良
たわわになっている野葡萄に手を伸ばし一粒噛んでみて、その酸っぱさ、にがさにすぐ吐き出してしまった。

 
朝がほや一輪深き淵の色 蕪村 
アサガオは夏休みの子どもの自由研究・観察日記の定番だから夏の季語と思われるが、秋の季語である。しかし、雄山閣の『新版・俳句歳時記第二版』には夏の季に入れているからややこしい。この俗称チョウセンアサガオは秋から初冬の今にかけても元気よく咲いている。
 をりとりてはらりとおもきすすきかな 飯田蛇笏
ススキ(芒、薄)を逆光で撮るとまるで銀の波である。尾花とも言われるが、なるほど獣の尻尾にも見える。秋の七草の代表みたいな秋草だが、耕作放棄田に入り込むとたちまち一面を席巻する。
 秋澄むやブータン国是はGNH  十遍捨逸句
ブータンの新婚イケメン国王夫妻が来日中である。そのブータンは経済的な豊かさ(GDP)の成長より、精神的な豊かさ=国民総幸福量(GNH)の成長を目標にしているという。