Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 早起きは…

子どもたちが夏休みに入った7月21日から、関の江新町公園で恒例のラジオ体操が始まった。自治会長持参のCDラジカセから、6時10分頃よりハイテンポの音楽が「目を覚ませ」とばかりに鳴り始める。早く来た子どもたちは鬼ごっこや追いかけっこで走り回る。6時半からの放送に合わせて体操が始まると。保育園児、幼稚園児も小学生たちやオジ(イ)さんたちに混じって体を動かす。テレビで見るラジオ体操のようにピシッとは揃わないが、写真のようにかなりばらばらのマイペース体操なのがまたよろし。目覚ましはかけないが、6時半の始まりに遅れまいと意識して、毎朝6時前には自然に目覚める。ラジオ体操はお盆前の12日までだが、清々しい朝の空気を吸い、跳ね回る子どもたちの元気に接することができるのは、「早起きは三文の徳」の一文めである。
蝉時雨降る降るラジオ体操へ  渓石

ラジオ体操が終わったらそのまま1時間の散歩に出かける。常緑広葉樹の下の道に面白いものを見つけた。

上は長さ3,5センチ、直径8ミリの黄緑で、下は長さ8,5センチ、直径3センチの濃緑の木の葉を巻いたものである。まるで粽(ちまき)か葉巻煙草のような、精妙な造りである。
落とし文」という何とも風雅な名前を持つが、これは、ゾウムシ科のオトシブミという小さな甲虫の雌が若葉を断ち切って巧妙に葉を折って作ったものである。中には卵が産み付けられているが、粘着物や糸は使われておらず、中で卵からかえった幼虫は、木の葉を食料としながら成長するという。いにしえの人はこれを小鳥の仕業と見立て、鶯や時鳥の「落とし文」と名付けたらしい。中身がどうなっているかは知りたくもあったが、二つの落とし文は無理には開かず、デジカメしたあとは道の端っこの落ち葉の上に返してやった。こんな可愛い珍しいものに出会えるのも早起きの三文の徳の一つである。最近滅多に手紙を書かず、とかく電話やe−mailにたよりがちであるが、昔の人は恋文で相手に思いを告げたのだ。そういえば毎月23日は語呂合わせで「文の日」だとか。せいぜい葉書でも書こう。
開封はせずときめきの落とし文  渓石

今年も散歩コースの蓮畑に蓮の花が開いた。あでやかとも、たおやかともいえようか、紅色も、白色も上品で美しい。ほのかに漂う香りもいい。今年は例年より、花の数が多い気がする。早朝の蓮の花に会えたのは、早起きの三文めの徳であった。
ぽんと音たてて開くや白蓮  渓石