Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

おとなの味覚

8日は暦の上では秋に入るというのに、日本列島はまだまだ猛暑が続いています。この暑さの中で元気がいいのはニガウリで、蔓をどんどん伸ばし、実も日に日に大きくなっています。毎年同じところに作るニガウリですが、今年も二階の物干しにまでよじ登り、青々と茂っています。


毎朝6時前から差し込む真夏の日差しを遮ってくれる緑のカーテンでもありす。今も湿気を多く含んだ別府湾からの風がベランダまで伸びたニガウリの青葉の間を通り抜けて、私の小部屋にに涼味を運んでくれています。沖縄ではゴーヤーと言い、栄養価が高く夏ばてを防ぎ、しかも栽培しやすいとかで全国に広くつくられ、このごろは店先にもよく見られます。我が家では、今朝の食卓にも薄くスライスした生のニガウリに鰹節をふっただけのごくシンプルなおかずの一皿が出ました。この苦い味が大好きな二人は、このところ三食のうち一食には必ずニガウリを食べます。

店に出ているのはずんぐりむっくり型が多いですが、家ではそれより長い形の苦い品種を作ります。
いわゆる五味といわれる甘・酸・鹹(かん=塩からい)・苦・辛であるが、味覚というのは人により年齢による違うもののようです。中でも苦(にがみ)はかなり年を取ってからでないとわからない味わいのようです。もっとも、年取ってもニガウリの苦さには親しめない人がいるのも事実です。だから、狭い畠にできた野菜ができすぎてお裾分けすることがあっても、ニガウリだけはやめておきます。

 食べ物の味わいというのは、五味それぞれのあわせ加減で決まるのでしょうが、えぐみというのも味わいの一つのようです。おいしさの表現は難しいもので、よくテレビのグルメ番組で聞く食べた料理の感想は「甘ーい・やわらかーい・ジューシー」の三つが多いと思いますが、いかにもワンパターンです。が、おいしさの表現というのはなかなか難しいものです。ただ、やわらかーいときいて、おいしいものは何でも柔らかいものかよ、と思います。私は鶏肉は、若鶏のもも肉などより、親鳥や卵を産まなくなった廃鶏の肉の方が噛み応えがあって好き(歯が丈夫でないくせに)です。料理というものは、味や見た目はもちろん、歯触りや噛み応えというのも味覚の重要な要素です。子どもの頃からあまり柔らかいものばかり食べさせると、顎が丈夫に育ちにくくなると言います。顎の力は学力にも影響するとか何かで読んだことがあります。まさに、顎力は学力なりということでしょうか。子どもの頃から歯も丈夫でなく、学力もあまりつかなかった私ですが、お祭りの時に飼っていた親鶏を締めて、その固い肉を食べたり、ポケットに入った煎った大豆やそら豆をポリポリ食べていたせいか、今でも歯ごたえのある食べ物が好きですね。
ところで、ニガウリのいる人、手をあげてー

いつのまに宙をつかむや瓜の蔓  古希漢