Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 7月11日 一番長い日

        
そろそろニガウリがおいしい季節だ。スーパーによく見るゴーヤーは、ずんぐりむっくりのものばかりで苦みが少ない。我が家の好みは強い苦みのものであるから、苦い長型の品種の苗を植えた。
 昨日は参議院選挙の投票日。市の選管から投票所として公民館を貸してほしいという依頼を受けていたので承諾し、日曜日は朝から夜まで、関の江新町公民館は第47投票所となった。
自治会長から、立会人をしてほしいということだったが、公民館長として選挙の一部始終を見ておくのも勉強だと思って引き受けた。ただし拘束時間は投票開始30分前の6時30分から投票終了締め切り時刻の20時まで13時間30分である。2時間与えられた休憩時間を立会人3人で割り振って、あとの時間はひたすらパイプ椅子に座って、投票用紙を受け取り選挙区選挙の候補者記載所で記載した投票用紙を投票箱に投函し、続いて比例代表の投票用紙に記載所で政党または候補者名を記載して投函するという一連の流れが円滑に一人一人行われているかを見ているだけである。
一日中座っていて気がついたことは、比例代表の投票では前もって政党や候補者を決めていると思われる投票者はスムーズに流れるが、投票ボックスの前に貼ってある12もの政党名とそれぞれに属する候補者名を初めて目にしたであろうと思われる投票者の足は、ここでしばらく止まってしまうということである。この投票所は、関の江新町とスパランド豊海の2つの町の有権者だけだからさほど混雑しなかったが、有権者の多い投票所は、比例代表選挙の投票場所で滞りはなかったのだろうか。
 立会人の目から見て、心を動かされたことが二つあった。
その1
午前中は高齢者の投票が多かったが、履き物を脱ぐのも家族の手を借り、杖をついて支えられながらやっと投票ボックスまでたどり着いてからは、時間をかけて自分の手と意志でしっかりと記載している高齢者の方が3人もおられたことだ。毎日の生活実感から、政治に望むことを選挙の投票できちんと表明しておきたいという政治的権利を、這って行ってでも行使するぞという気迫が見えた。
その2
茶髪を振り乱し、特異な服装の若い兄ちゃんがやや不安そうな面持ちで投票係員の説明に従って選挙区選挙の投票をした。そして、比例代表の投票箱(私のすぐ目の前にある)に投函したあと、「もうこれで終わり?」と小声で言ってほっとしたようにはにかみながら退場していった。新有権者としてたぶん初めての選挙の投票だったに違いない。さわやかな風を残して帰って行ったこの若者は、初投票したことを友達に晴れやかな顔で報告したのではないかと勝手に想像した。私の立会人の仕事は初体験だった。この茶髪の兄ちゃんの選挙権行使もたぶん初体験だったのではないだろうか。心の中でこの青年にエールを送った。
長時間の、ミスがあってはならない投票事務に当たる市の職員の方々もお疲れであったろう。お疲れ様とねぎらいたい。ただ一つ気にかかったことがある。投票者への説明や投票用紙渡しの時にガムを噛んでいた職員が何人かいたことだ。少なくとも仕事中である。市役所の中の執務中でも平気ででガムを噛んでいるのであろうか。立会人としてではなく、一有権者・市民として感じたことである。確かに、野球やサッカーのプレイ中でもガムを噛んでいる選手がいるが、これとはまた別だという気がするのである。
 
 それにしても、今日の一日は長かった。朝は5時に起き、選挙事務担当者たちが公民館に来た6時には公民館に行った。20時に投票箱がしまったあとは、係員にともなってタクシーで開票所の市体育館まで二つの投票箱の搬送に立ち会い、家に帰り着いたのは21時を過ぎていた。風呂に入って遅い夕食をし、あちこちチャンネルを換えて選挙速報を見ていたら1時を回った。さすがにサッカー決勝戦のライブ観戦を見るには目も体力ももたなかった。