Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 ホトトギス とウグイス  

 
梅雨の雨音がやんだひととき、ホトトギスの声を聞いた。teppenkaketakaとかtokkyokyokakyokuとか聞こえるそうだが、人里の「卯の花のにおう垣根」に来ては鳴かず、谷一つ隔てた森から聞こえる。いかにも夏にふさわしい声である。
 ウグイスもしきりに裏山で鳴くが、今頃のウグイスは、正調の鳴き声で典型的なウグイスの美しい声を聞かせる。夏鶯(なつうぐいす)とか老鶯(ろうおう)とか言うが、老鶯とは年取った鶯という意ではあるまい。「老」は「老成」とか「老練」というように、「経験を積んでいる」「ものなれている」という方の意味であろう。
ホトトギスはウグイスやホオジロなどの巣に産卵し、何も知らぬウグイスやホオジロに抱卵・育雛させるという託卵の習性を持つという。仮親の雛よりも早く大きく生長するホトトギスの雛は、仮親の雛を巣の外に排除するという。お人好しのウグイスとずるがしこく残酷なホトトギスではある。ホトトギスは「老獪」な鳥なのである。