Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 変わりゆく別府の海岸

今日、関の江海岸から餅ヶ浜までの海岸線を歩いたが、別府の海岸はどこもかしこも工事中である。どういう目的で、どこが主管でやっているのだろうか。別府市のHPの「港湾に係る主要事業」を見ると、次のようになっている。
1.別府港石垣地区整備事業
「大規模災害時における緊急避難及び緊急物資輸送等の対策のため、耐震強化岸壁を有す
るターミナル整備を国土交通省及び別府市と連携を図って行っています。」
要するに国交省別府市の共同事業だということである。
今、上人ヶ浜公園の東側の海に向けて100メートル以上も埋め立ての工事は終わっている。
  
2.その他の地区の整備
「石垣地区の他に、的が浜地区及び北浜地区の整備を行っています。国土交通省が高潮対策事業にて護岸整備を行っており、背後地である緑地整備を大分県が行っております。」
ここは、国交省大分県とが別事業を行い、別府市は直接工事に関与していないのだろうか。
  
3.海岸整備事業 別府港海岸(関の江地区)
「関の江地区では、別府市の海岸では自然海浜が残る数少ない海岸線ですが、近年、浸食により海岸が後退し、さらに波浪による越波等で背後地に被害が生じ、住民に不安を与えている状況です。自然海岸で海水浴場に利用されているため、突堤、人工海浜、遊歩道等の整備を行い、市民の憩いの場としての海岸を整備します。」
毎日散歩しているところなので、工事の進捗具合をよ観察しているのだが、今は冷川の右岸(南側)南北500メートルほどの海岸線に沿って東側50メートル先に突堤ができ、もとの海岸線と突堤に挟まれた中海の埋め立てが7割かた終わっている。この部分の埋め土は、内竈の奥に作っている新道工事のために削った山の赤土を運んでいる。
  
この埋め土の運搬はひとまず終わったようだが、約一か月間、大型ダンプが一日に70回以上も関の江団地のメインストリートである我が家の前を往復して、正直参ってしまった。
  
大分の田ノ浦海岸のミニ版がイメージされるが、関の江の浜の整備で心配なことがある。突堤の向こうに海浜を作ったとしても、果たして海水浴場として使えるのだろうか。ここの海の砂は今のままでは、砂と言うより礫で貝殻も多く裸足の足にはちょっとアブナイと思われる。新しく細かい砂を搬入しても沖に流されてしまう心配はないか。田ノ浦の浜は何度搬入しても砂が流されると聞いたが。もう一つの心配は、狭い範囲の砂浜を沖合に左右からかぎがたに突き出た突堤で抱き込むという構図の人工海浜では潮が滞り、水質劣化につながるのではないか。暑さが何日か続いた先日、赤潮のような濁りが生じているのを見た。さらには、海流の関係で台風のあとなどは今でも夥しいゴミがうち寄せるが、事前に海水浴場内にゴミが漂着しないようにするのは極めてむずかしいのではないか等々、ほぼ毎日ここを散歩する関の江新町の一住民の心配は尽きない。

冷川(ひやかわ)河口  中潮満潮時
   
    冷川左岸(北側)
ここは別府市の海岸線で唯一自然のまま残っている貴重な海浜である。ハマウド、ハマエンドウハマボウコウボウムギ、コウボウシバ、ハマボウフウハマダイコンコマツヨイグサなどの群落があったが、今は減っている。
   
        ハマエンドウ
   
狭い、小さな冷川を挟んだ右岸(南側)は突堤遊歩道の工事が進み、遊歩道の右側(西の国道側)にできた中海の埋め立てもほぼ終わって工事は中断している。予算の関係だろうが、工事を進めたり中断したりで、完成はまだずいぶん先のことだろう。ここの国道側の旧岸壁付近に自生していた元気のいいハマウドは、工事ですべて根こそぎ倒されてしまった。そして、取り除かれたテトラポットのあとには、漂着した積年のごみが大量に晒されている。