Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

鯖大師

先日、日豊本線亀川駅から自宅へ歩いて帰っているときに雨にあいました。電車を降りた頃は小雨だったので家につく25分の間はまだ大丈夫だろうと、傘なしで歩き始めたのですが、10分ほど歩くとどうやら本降りとなってきました。急ぎ足で古市の「鯖大師」にたどり着き、僅かに頭だけを差し入れることができるほどの「鯖大師」堂の庇の下に雨宿りをしました。このまま家まで歩けばずぶ濡れです。ちょこっと大師様に手を合わせてふと横を見ると、何と傘があるではありませんか。渡りに船、いや、にわか雨に傘(?)です。傘を見ると萌葱色の男物で、柄には「径77センチ超軽量」と書いている、まださほど使用感のない立派なものです。これはきっと、「鯖大師」様が困った哀れな男にこの傘を使いなさいと差し出してくれたものだと思い、謹んで借りることにしました。おかげで帰るまで、濡れ鼠となるのを免れました。勿論、お世話になった傘は後日、もとの「鯖大師」様のところにお返しに行きました。信心深くもない男が、散歩の途中で「鯖大師」にちょこっと手をあわせていたのを見ていてくださったのか、思いがけないゴリヤクでした。
  弘法に傘賜りし初時雨   
   
   

この石像は120センチほどのものなのですが、右手に鯖をぶらさげた大師の像の台座に「鯖大師」と刻まれた珍しい弘法大師像です。「鯖大師」については、『別府の古い道 歴史散歩』(別府史談会発行)にも紹介されています。