Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 名月や池をめぐりて夜もすがら

 昨日3日の夜は旧暦8月15日、「仲秋の名月」でした。知人の通夜にお参りする車から、東の前方に登ってくる十五夜お月さんを追っかけました。この仲秋の名月は、古来、芒を挿し、団子や芋を備えて月を祭る風習があることから“芋名月”といいます。これに対して、十三夜は(今月は10月30日)“栗名月”と呼ばれます。
名月は満月、望月ともいい、まん丸の月ですが、実は十六夜の今日の月が月齢(15.3)の満月だそうです。昨夜の仲秋の名月は月齢14.3で、ほんのちょっぴり、左上が欠けていたのです。今日の十六夜の月は少し薄雲がかかっているものの、よく見れば、昨日よりまん丸に見えました。
写真は4日21時過ぎに、薄雲のかかった満月をコンパクトデジカメで撮ったものです。
      
 8月15日の月を賞することは中国唐の時代に起こったらしく、日本では孝謙天皇奈良時代からという説が有力です。秋は空気が澄んで、月が一年じゅうでもっとも美しく見える時期ですが、昔から日本人はあんぐり口を開けて毎晩月ばかり眺めていたのでしょう。その一つの証拠に、仲秋の名月を挟んで、前日を待宵月(まつよいづき)、明月の翌日を十六夜(いざよい)、17日を立待月(たちまちづき)、18日を居待月(いまちづき)、19日を臥待月(ふしまちづき、または寝待月(ねまちづき)、20日を更待月(ふけまちづき)などと、何とも風流な名を付けています。
月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月     
昔からある戯れ歌のようなこの三十一文字、月が8つもあります。そして、moonとmonthを巧みに使い分けているのですが、最後の2つの月はどっちがどっちなのでしょうかね。
これをパロッて、月々にツケ見る月は多けれど支払う月はこの次の月 てーのがあったのを思い出しました。
この駄文を書き終わってもう一度ベランダに出てみると、満月はもう真上近くに登っていて、前より少し厚い雲に覆われています。明日の天気はどうやら下り坂でしょうか。別府市内の小学校は昨日と今日が運動会のところが多かったようですが、見事に当てましたねえ。
タイトルの句は芭蕉さんの有名な句ですが、句も出来ず、芒を挿して団子を供えるでもなく缶ビールを手に空を仰いでいる男、私のことですが、風流も何もありませんなー。